2021年09月27日(Mon)
基礎研究充実が国を強靭にする
(産経新聞「正論」2021年 9月24日付朝刊掲載)
日本財団会長 笹川 陽平 「土台のないところに家は立たない」という。基礎の大切さを教える格言である。然るに近年は、英米流の株主資本主義の影響もあって企業経営に限らず学問の世界でも、基礎研究より短期に成果が期待できる応用研究が優遇される傾向にある。 あらゆる応用研究は基礎研究の上に成り立つ。パンデミック(世界的大流行)となった現下の新型コロナウイルス禍で、わが国が感染防止の決め手となるワクチン開発で遅れを取っている一因もこの点にある。基礎科学、基礎医学を立て直し、基盤を強化することが急務と考える。 |