2021年01月12日(Tue)
正念場を迎える日本の国連外交
(産経新聞「正論」2021年 1月7日付朝刊掲載)
日本財団会長 笹川 陽平 2020年、創立75年を迎えた国際連合をめぐるニュースのうち気になった一つに米国の民間調査機関ピュー・リサーチ・センターが行った国連に対する好感度調査がある。昨年6〜8月に先進14カ国を対象に行われ、13カ国が59〜80%の高い好感度を示す中、日本は29%と突出して低く、国際協調に対する支持率も最下位だった。 前年調査に比べ18ポイントの減少。パンデミック(世界的大流行)となった新型コロナウイルスに対する世界保健機関(WHO)の初動のまずさが大きく影響したと想像するが、我が国は1956年の加盟後、国連中心主義を外交3原則のひとつに掲げ、国連に対する好感度もかつては60%を超えていた。何故、これほど落ち込んだのか、不思議な気さえする。 |