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2017年04月28日(Fri)
笹川日本財団会長にゴールドメダル
WHO事務局長が退任に当たり
ハンセン病制圧への貢献称える


日本財団の笹川陽平会長が4月19日、WHO(世界保健機関)のマーガレット・チャン事務局長からゴールドメダル(The WHO Medal)を授与されました。チャン事務局長が2期10年の任期を終え退任するに当たり、WHOのハンセン病制圧大使として活動を続ける笹川会長の貢献を称えるのが趣旨。笹川会長は謝辞の中で、有効な取り組みとしてメディアを通じた啓発活動など3点を挙げ、引き続きハンセン病の制圧と偏見・差別の撤廃に取り組む決意を述べました。

ゴールドメダルをチャン事務局長=左=から受ける笹川会長

ゴールドメダルをチャン事務局長=左=から受ける笹川会長


授与されたゴールドメダル

授与されたゴールドメダル

授与式が行われたのは、スイス・ジュネーブのWHO本部で開催されたNTD(neglected tropical diseases=顧みられない熱帯病)に関する国際会議。会議ではWHOが「人類が制圧しなければない熱帯病」と定義するリンパ系フィラリア症や住血吸虫症、ハンセン病など18に疾患の現状や対策について議論が行われ、世界各国から約400人が出席、アナン国連元事務総長やビル&メリンダ・ゲイツ財団のビル・ゲイツ共同代表らがスピーチを行い、カーター米元大統領もビデオレターを寄せました。

会議の終盤、司会者が2001年、WHOのハンセン病制圧大使に就任し世界各国で幅広い活動を続けている笹川会長の功績を紹介した上で、多大な貢献に対しゴールドメダルが授与される旨を説明、拍手の中でチャン事務局長から裏側に「HEALTH FOR All」と刻まれたゴールドメダルが手渡されました。

謝辞を述べる笹川会長

謝辞を述べる笹川会長



これを受け笹川会長は「栄誉と喜びをともに活動していただいた方々一人ひとりと分かち合いたい」と謝辞を述べるとともに、WHOが早期の達成を目指した「人口1万人当たり患者1人未満」の制圧目標がなおブラジルで未達成になっている点について、「目標はわずかに届きませんでした」、「賞をいただけると伺い銀メダルかと思いました」とジョークを交え無念の思いと今後の活動に対する意欲を語りました。

会議には各国から400人が出席した

会議には各国から400人が出席した



さらに「ハンセン病への取り組みを進める上で重要な変化をもたらすことになったと信ずる点」として(1)蔓延国の政治リーダーに直接、働き掛けコミットメントをもらうことで取り組みに一石を投じることができた(2)メディアや時に音楽などエンターテイメントを通じて「ハンセン病は治る病気」、「治療は無料」のメッセージを伝えることで大きな効果が得られた(3)政府から医療専門家,NGOまで多彩な関係者を巻き込むことで持続的な活動につながったーの3点を挙げました。

アナン国連元事務総長=右=からも祝福を受けた

アナン国連元事務総長=右=からも祝福を受けた



ゴールドメダルは1988年から10年間、事務局長を務めた中嶋宏氏(故人)が退任の際、キューバのカストロ元大統領らとともに、1995年から5年間、治療薬MDTの世界無償配布を支えた日本財団にも贈られています。

無償配布は2000年以降、ノバルティス財団(スイス・バーゼル)が実施しており、笹川会長は謝辞の中で「(ノバルティス同財団の支援により)スティグマや差別の撤廃など他のイニシアティブに資金を投入することが可能になっています」と同社の貢献を称えました。


● ハンセン病〜病気と差別をなくすために〜(日本財団ウェブサイト)
タグ:ハンセン病
カテゴリ:健康・福祉







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