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2017年04月14日(Fri)
さまざまな緊急・復興支援活動を展開
日本財団、震災発生に即応
熊本、大分両県を襲った大地震から1年


昨年4月に熊本、大分両県を襲った大地震から1年。日本財団が震災発生直後から展開してきた緊急・復興支援活動について振り返ります。熊本県が4月13日に明らかにしたところによると、仮設住宅などで避難生活を送る被災者は3月末時点で、少なくとも4万7725人に上っています。日本財団はさまざまな観点から支援活動を続けます。

壊れたままになっている益城町の民家(2017年4月10日撮影)

壊れたままになっている益城町の民家(2017年4月10日撮影)


【本震3日後には緊急支援策発表】
日本財団の笹川陽平会長は、熊本地震の本震発生から3日後の2016年4月19日には、総額93億円の緊急支援策を発表しました。内訳は▽緊急対策支援▽NPO法人、ボランティア活動支援▽弔慰金および家屋全損壊などに対する見舞金の支給▽住宅・事業再建資金のための融資制度(わがまち基金)創設▽熊本城再建支援―の大きく分けて5項目。

【本震10日後には熊本県と合意書締結】
本震発生10日後の同月26日、笹川会長と熊本県の蒲島郁夫知事は、計93億円に上る緊急支援策について合意書を交わし、官民連携で復興支援活動に当たることを確認しました。

【わがまち基金創設発表】
熊本地震の復興支援の一環として日本財団は8月23日、熊本県と大分県で、被災した住宅や事業再建のための金融支援制度「日本財団わがまち基金」の創設を発表しました。住宅が損壊して住めなくなった被災者が住宅を再建・購入する際や、被災した事業者が事業を再開・再建する際に、それぞれ必要となる資金を指定の金融機関から借り入れる時の負担を軽減することを柱とした支援制度です。「日本財団わがまち基金」は東日本大震災の復興支援でも実績を積み上げてきました。

被災地支援活動実施状況

 被災地支援活動実施状況(クリックで拡大)

【被災地支援活動総額は1年間で127億円に】
日本財団と熊本県が合意して進めてきた熊本地震の緊急・復興支援総額は、当初発表の総額93億円を大きく上回り、127億円超に達しました。笹川会長と蒲島知事が震災発生1年を迎えるに当たり、この4月10日、一緒に記者会見をして明らかにしました。

【日本財団のこの1年間の主な支援内容は次の通りです】
(1)緊急対策支援(3億7600万9200円)
要援護者(障害者や高齢者、乳幼児など)に対する要望調査・支援、避難所や自宅で避難生活を続けている特別な配慮が必要な人(障害者や高齢者、乳幼児など)に対する支援に加え、災害ボランティアセンターを設立した社会福祉協議会への支援などを実施しました。
この事業の中で仮設トイレの使用が困難な要援護者が多い避難所・福祉施設に無水無臭のラップ式トイレ400個を熊本県の126カ所で設置し「大変喜んでいただきました」(4月10日の活動報告会見で笹川会長)。

(2)NPO・ボランティア活動支援(3億1985万円)
被災地で活動するNPOやボランティアを支援するための助成として16年4月26日から6月30日の間、計1251件の申請を受け付け、318団体347事業に対し、寄付金総額3億1985万円の支援を決定しました。

西原村での弔慰金支給の様子(16年5月7日撮影)

西原村での弔慰金支給の様子(16年5月7日撮影)

(3)弔慰金および家屋全損壊などに対する見舞金の支給(47億5050万円)
197人の遺族・親族に対し計1970万円の弔慰金を支給。家屋損壊見舞金については、これまでに2万3654世帯に対し計47億3080万円を支給しました。

益城町テクノ仮設団地の現在の様子(17年4月10日撮影)

益城町テクノ仮設団地の現在の様子(17年4月10日撮影)

(4)住宅・事業再建資金のための融資制度(わがまち基金)創設(36億円)
熊本県との災害支援合意に基づき、熊本県、熊本県建築住宅センターと連携し、約10億円(第1期分)となる住宅と事業再建のための金融支援制度、仮設住宅の住環境整備(みんなの家の整備など)に取り組んでいます。大分県とも災害支援合意に基づき、大分県建築住宅センター、大分県中小企業復興支援協議会と連携し、約3億円(第1期分)となる住宅、事業再建のための金融支援制度(利子および信用保証料の支援)に取り組んでいます。昨年11月29日に住環境整備の一環として益城町テクノ仮設団地に「みんなの東屋」が完成したほか、「日本財団みんなの家」第一弾として9団地(阿蘇市、御船町など6自治体)の建設を決定(完工は17年4月以降)。また住宅再建支援の第1期(16年度分)として、熊本県では199件1億7042万円、大分県では66件4251万9000円を決定しました。

熊本城の現状(2017年4月9日撮影)

熊本城の現状(2017年4月9日撮影)

熊本城の現状(2017年4月9日撮影)

熊本城の現状(2017年4月9日撮影)



(5)熊本城再建支援(30億2505万円)
熊本県、熊本市と協議し、6年で合計30億2505万円を支援します。天守閣内展示施設の再建、しゃちほこの復元・製作などを行います。

(6)「日本財団災害復興支援センター 熊本本部」の開設
震災発生から間もない16年4月26日、NPO団体やボランティア、企業などの民間団体が使う復旧・復興活動を行政と連携して円滑に実施できるよう、熊本県の協力を得て県庁前に事務所を開設。被災者の相談や多くのNPO団体やボランティアの打ち合わせ場所として活用されています。

(7)「復興応援 キリン絆プロジェクト」熊本支援(2億2500万円)
16年12月21日、熊本県、キリングループ、日本財団の3者による包括支援協定を締結しました。この協定の下、キリングループからの寄付による基金を設置し、キリングループが掲げる「絆を育む」をテーマに「食産業復興支援」「地域の活性化支援」「心と身体の元気サポート」という3つの幹で地域に寄り添い、復興から未来へつながる活動の支援を推進します。熊本県の「平成28年熊本地震からの復旧・復興プラン」とも連携し、行政、民間企業、公益財団法人が一体となり、より包括的で、きめ細やかな支援の実現を目指します。これまでに4件1716万9219円を決定済みです。

(8)その他の支援事業(略)

重機で奮闘する黒澤司・日本財団職員"

重機で奮闘する黒澤司・日本財団職員

【専門チームを直ちに現地派遣】
東日本大震災以来の大規模な地震災害に対し、日本財団は被災地支援に実績のある専門チームの現地派遣を即決しました。以下は直後に熊本入りした第一次派遣メンバーの1人、黒澤司職員(現・震災復興支援熊本チーム)の奮闘メモのさわりです。紹介します。

現地救援活動の指示を受けて、既に現地入りしたNPOなどからの情報を得ながら、(東京で)準備を進めているうちに、追い討ちを掛けるように4月16日未明の二度目の震度7(本震)が発生。被害はさらに深刻との連絡が入りました。最初の派遣メンバー4人も決まり、災害専用車両に必要な資機材、水やガソリンなどを満載し16日夜、東京有明港から出港、船中2泊後の18日朝、北九州新門司港に到着しました。

九州自動車道を南下し、途中から海沿いの道を通り熊本市内入り。ガソリンスタンドが通常どおり営業していることに安心し、旧知のボランティアが活動している避難所に立ち寄り物資を届けたり、家屋倒壊による公道の障害物を急きょ取り除く作業をしたりしながら、手配しておいた重機とダンプトラックを建機レンタル会社から受け取り、最初の夜はテント宿営。翌19日朝、最も被害が大きいとの情報から震源地の益城町に入りました。

既に活動を開始していたNGO・NPOと連携し車両搬出や財産保護活動を実施。同日、益城町文化会館の駐車場を借り、活動拠点「木山ボランティアベース」を設営。この地は西南戦争の時、西郷隆盛が薩摩軍本営を置いた場所。数日後、地元の社会福祉協議会が設置した災害ボランティアセンターでは対応できない、応急危険度判定で「危険」と判定された家屋を対象に、益城町と西原村を中心に支援活動を行うことになりました。

初動期から夏までの活動は、主に車両搬出、農機具搬出、財産保護、道路啓開、危険家屋への対応、公設避難所を利用できない自宅敷地避難者の生活環境改善、屋根の雨漏り対応、6月の豪雨被害への対応など。夏以降は、地震によって立ち遅れた農業の支援、農地や農道の復旧、仮設によるプレハブ建物の環境改善と園児の安全対策、南阿蘇地区の水害への対応などに活動内容は変化していきました。熊本の夏は連日の猛暑で、ボランティア活動も熱中症対策に本当に苦労させられました。

北海道中部・岩手北部を襲った台風10号による被災地救援のため9月21日に熊本から移動。10月31日岩手から帰還し、再び熊本へ。活動のための拠点はこれまで借りていた文化会館駐車場から近隣住民の厚意で移動。以降は、住民からの個別ニーズに対応しながら、復興に向けて石垣や神社・地蔵尊の修復など地域の景観再生を行いながら仮設住宅への支援などを中心に行っています。

熊本地震
最大震度7を観測する地震が同年4月14日夜と16日未明に発生。6強の地震も2回、6弱の地震は3回発生し、両県に大きな被害をもたらしました。震度7の観測は国内4例目、九州地方では初めて、一連の地震活動で震度7が2回観測されたのも初。気象庁は一連の地震を「平成28年(2016年)熊本地震」と名付けました。



● 熊本地震支援プロジェクトページ(日本財団 ウェブサイト)






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