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2017年03月29日(Wed)
再就職促進の指標まとまる
「ママインターン事業」1年の総括
JPモルガン・チェース財団の支援事業


結婚、出産、介護などで離職した女性の再就職に向けたママインターン事業が昨年春スタートして1年。全国の6自治体での実施結果をSROI(社会的投資収益率)と呼ばれる手法で測定したところ、投入された費用の2倍を超す社会的価値が創出されたとする結果が出ました。子育てを機に退職した女性の再就職が社会的にも求められる中、今後の指標となる数字として注目されます。

成果報告会で行われたパネルディスカッション

成果報告会で行われたパネルディスカッション


プロジェクト全体像

プロジェクト全体像(クリックで拡大します)

事業はJPモルガン・チェース財団の支援を受け、日本財団が事業のとりまとめや企画運営を担当して東京都世田谷区、同小金井市、宮城県名取市、群馬県高崎市、静岡県三島市、名古屋市の6地域で実施され、女性の社会復帰支援に取り組むNPO法人「Arrow Arrow」(東京都)が事業の委託先や自治体との連携、人材不足で悩む中小企業とのマッチングなどを行いました。

事業には138社の事業者がエントリーし、100人のママがキャリア講座に参加。66人が51事業所で職場体験し、最終的に32人が27事業所に就職しました。ママインターンに参加した女性の90%以上が30、40歳代。また参加事業所の約80%は従業員20人以下で、83%の事業所で子育て中の従業員が働いており、93%の事業所ではフルタイムではない働き方を導入しています。

成果報告会会場

成果報告会会場

SROI(Social Return On Investment)は成果を可視化し金銭換算した上で、要した費用と比較して費用対効果を測定する方法。今回は事業で就労した女性が得る賃金や、事業者の環境づくりに要する費用、パパへの影響に関する費用など「金銭価値に換算された社会的価値」を、人件費や事業経費など投入された「費用」で割って試算した結果、2.09の数字が出ました。今後、プログラムの効率化、改善を図る資料として活用されることになります。

現実に事業に参加した女性からは82%が「自分を知ることができた(自己認知・肯定感の高まり)」、67.6%が「働くことの相談相手ができた」と答えたほか、「適切な人材採用ができた」といった事業者の声や、「夫婦・家族関係が改善した」などの夫の声もプラス・ポイントとしてカウントされています。一方、職務内容が明確でない場合に、双方で満足度が低くなる傾向があることも明らかとなりました。

3月22日には東京・丸の内のJ.P.モルガンのオフィスで成果報告会が行われ、SROI評価結果などと合わせ、「子育てと仕事の両立〜ママと企業の視点から〜」と題したパネルディスカッションも行われました。

報告会後の懇親会でも意見交換が

報告会後の懇親会でも意見交換が

この中で、日本伝統の前掛けの企画製造販売会社「エニシング」=東京都小金井市=の西村和弘社長は「会社は社員6人、パートが5人。(育児中のママが働く場合、何かあれば)すぐ帰れることが最優先。(それを可能にするためにも)企業トップや部門長がその人の貢献を“見える化”して守ってあげることが何よりも必要です。そうすることで女性に継続して長く働いてもらうことができます。」と語りました。

またママインターンを通じて家族経営のガス会社=高崎市=で働く石黒弥千代さんは「育児と家事を一人でするのは無理」とした上で、「仕事を得たことで、背中を押して応援してくれる企業もあるのだと知り、壁がなくなったというか、夫に相談することも増えました」とママインターンに参加した意義を語りました。


● ママ再就職の社会価値を「見える化」する(2016.02.17)
タグ:SROI
カテゴリ:こども・教育







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