2017年02月07日(Tue)
昭恵首相夫人 ミャンマーへの熱い思い
「活動を語る夕べ」でNGOと交流
広がる日系の民間団体活動 民主化が進むミャンマーでは日系企業の進出が加速する中、NGO関係者も約20団体が日系NGOネットワーク(JNN)を立ち上げ、活発な活動を展開しています。2月1日には、たまたまミャンマーを訪問していた安倍昭恵首相夫人を迎え「ミャンマーでの活動を語る夕べ」を開催、参加した15団体の活動報告と意見交換、さらに大使館関係者らも加わった懇親会と密度の濃い交流が行われました。 |
昭恵夫人にとって今回は寺子屋支援に取り組む「メコン総合研究所」(GMI)の名誉顧問としての訪問で、懇談会では「日本とミャンマーが協力して世界平和をリードできればいい」などと語りました。この国を訪れるのは12回目。世界各地で続ける幅広い社会貢献活動の中でも、ミャンマーに対しては、ひときわ熱い思いがあるようです。 「語る夕べ」は最大都市ヤンゴン市内の日本財団ミャンマー事務所にJNN加盟の15団体代表が出席して行われ、それぞれが自らの活動内容や今後の目標などを説明しました。会を主催した日本財団のように40年近い活動暦を持つ団体から最近立ち上がった団体まで幅広く、活動地域もヤンゴン周辺から西方のラカイン州、東方のシャン、カレン両州、北方のカチン州まで広がっています。 活動内容も障害者のための職業訓練、地域の保健・生活向上、生活環境の整備、医療支援、母子保健の改善、農業を通じた人材育成、循環型農業の普及、井戸の確保、学校・保育園建設など多彩。昭恵夫人から新政権誕生後の変化など何点かの質問が出され、出席者からは「民主化になって民間の活動に対する規制が厳しくなった面もある」、「ODA(政府開発援助)資金をNGOも活用できるシステムがほしい」、「私たちのような活動はもう要らないといわれるようなミャンマー社会を作りたい」といった声が出ました。 この後、市内のホテルに会場を移し、在ミャンマー日本大使館の樋口建史大使、丸山市郎公使ら幅広い関係者約60人が出席して懇親会。席上、昭恵夫人は自身とミャンマーの関わりについて、「義父に当たる故安倍晋太郎元外相が最後に訪問したのがこの国で、夫の安倍晋三首相からも“最も親しみの持てる国”として薦められ、2006年から毎年、訪問しています」と説明。「何かお役に立てばと思って訪問を始めたが、学ばせてもらうことの方がはるかに多い」などと語りました。 GMIでは古都マンダレーやヤンゴンなどに2006年から昨年までに計30カ所、寺子屋を建設しており、今回はこの10周年記念パーティーへの出席を兼ねた訪問。寺子屋はお布施や寄付を中心に運営され、初等・中等教育のほか各国の外交官やビジネスマンが教える外国語教室もあり、特に日本語コースは人気の的ということです。 昭恵夫人はミャンマー滞在中、計18の寺子屋を精力的に訪問、子どもたちの大歓迎を受け、「この国には日本の子供たちが忘れてしまった何かがあるような気がします」、「ミャンマーに来ると不思議と満月の日が多く、日本人が忘れた月の満ち欠けの中に本当の人間のリズムがあるような感じさえします」などとも語りました。 現在、ミャンマーでは30団体を超える日系のNGOが活動しており、地元の関係者ら何人かに感想を求めると、「各国のNGOに比べても、よくやっている」との評価が多く、さらに団体数も増える傾向にあるとのことです。 「語る夕べ」に出席した団体のうち、日本財団を除く14団体は以下の通りです。 ● 難民を助ける会(AAR) ● アジアクラフトリンク(ACL) ● AMDA社会開発機構 ● れんげ国際ボランティア会(ARTIC) ● BHNテレコム支援協議会 ● 日本ミャンマー豊友会(JAMAHA) ● ジャパンハート(Japan Heart) ● ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会(MFCG) ● オイスカ(OISCA) ● ピープルズ・ホープ・ジャパン(PHJ) ● ピースウィンズ・ジャパン(PWJ) ● SEEDS Asia ● 地球市民の会(TPA) ● ブリッジ エーシア ジャパン(BAJ) |