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2016年11月04日(Fri)
共同プロジェクトの推進に強い決意
日本一の“ふる里創生モデル”を!
日本財団 鳥取で顧問団会議開催


日本一のボランティア先進県」を目指して本年度から始まった鳥取県と日本財団の共同プロジェクトの現状を総括し、今後の方向性を協議する顧問団会議が11月2日、米子市内のホテルで開催されました。プロジェクトでは現在、9項目30億円の5カ年事業が進行中で、日本財団の笹川陽平会長は「地方創生には金も大事だが、何よりも知恵と故郷を愛する気持ちが大切。(事業が一段落する)5年後の熱意次第で支援事業を継続することも考えたい」とプロジェクトの推進に強い決意を述べました。

関係者が一堂に会した顧問団会議

関係者が一堂に会した顧問団会議


あいさつする平井知事

あいさつする平井知事

笹川会長が続いてあいさつ

笹川会長が続いてあいさつ

顧問団は鳥取県内の全19市町村、農業協同組合中央会、経営者協会、看護協会、鳥取大学など県内を網羅した団体や組織の関係者で構成され、この日の会議には30人を超す関係者が出席しました。冒頭、平井伸治知事は10月21日に起きた鳥取県中部地震被害への対応などを述べた後「故郷は傷ついたが、皆で乗り越えたい。5年間で何とか鳥取を変えてほしい、という日本財団の期待に、57万県民の心を一つにまとめて頑張りたい」と述べました。

これを受けて笹川会長は「全国の地方創生事業はほとんど動いていない。鳥取県には地元の人が気付いていない素晴らしい宝がたくさんある。日本一のふる里創生モデルを作っていただきたい。ほんのわずかだが日本財団も協力させていただく」と語りました。

プロジェクトでは、住み慣れた地域での生活を守る中山間地域の生活支援や健康寿命日本一を目指す住民参加型の健康づくり、福祉や医療、教育と連携した難病の子どもと家族の地域生活支援など9項目の事業が進められています。このうち地域交通のモデルづくりに向けたタクシーのユニバーサルデザイン(UD)化では、既に東部地区に14台が先行導入されたUDタクシーが年内にさらに111台、県内全域に導入されるほか、将来の担い手・リーダーを育てる人材育成プログラムでは既に県内、県外での勉強会など計24件の研修が実施され、約400人が参加しています。

顧問団会議では3つの取り組みが報告され、このうち「田舎暮らしの本」を発行する株式会社宝島社の「2016年版 住みたい田舎ベストランキング」で1位となった岩美町の谷口健一・企画財政課参事が「生活支援モデルの取り組みを通じ今後は“住み続けたい田舎”日本一を目指したい」と述べ、弁当作りを通じた障害者の工賃向上に取り組む鳥取市の就労支援センター「和貴の郷」(河村仁志代表)からは、地域のニーズに応じた弁当作りを通じて障害者の工賃を現在の約2倍の5万8,000円を目指す取り組みなどが報告されました。

地震で白壁などに被害が出た旧国立第三銀行倉吉支店

地震で白壁などに被害が出た旧国立第三銀行倉吉支店

また鳥取県中部地震で被害を受けた琴浦町の山下一郎町長は「地震で地域のアイデンティティーが強くなった。これをうまく地方創生につなげたい」と述べ、顧問団団長の山田憲典・不二家会長も「2,000万人を突破した外国人観光客の興味は地方の食やモノづくりにある。東京や大阪で活躍している地元出身者が地元に帰って活躍できる街にするためにも、この運動をさらに継続発展させてほしい」と激励、平井知事が「まだまだヒヨコの状態だが、甘えることなく自分の力で独り歩きできるよう頑張りたい」と決意を述べ、最後を締めくくりました。

顧問団会議に先立ち笹川会長は11月1日、鳥取県中部地震で被災した倉吉市を訪問、倉吉市役所で石田耕太郎市長から家屋や建物、さらに収穫直前に大きな被害が出たナシなど農作物被害などについて説明を受けた後、同市内の白壁土蔵群の一角にある旧国立第三銀行倉吉支店を視察しました。

同支店は1908年(明治41年)の建設。木造二階建て蔵造りの建物は現在、国指定登録有形文化財に指定され、日本財団の支援で障害のある人たちが働く「レストラン&カフェ 白壁倶楽部」に改装されています。地震で外壁の白壁や内部の壁面が崩落するなど大きな被害が出ており、笹川会長は補修費など約3,000万円を日本財団が支援する考えを関係者に伝えました。

地震で壁が崩落した建物内部

地震で壁が崩落した建物内部

落下した大時計、地震が発生した(午後)2時8分で針が止まっている

落下した大時計、地震が発生した(午後)2時8分で針が止まっている




● 鳥取県 x 日本財団 共同プロジェクト ウェブサイト






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