2016年10月11日(Tue)
熊本の子どもたち1泊2日クルーズ体験
夏終り楽しい思い出づくり、笑顔広がる
震災で大変な学校生活送った小中学生 熊本地震で大変な環境の中で学校生活を送ってきた小中学生が楽しい思い出をつくれるようにと日本財団は夏の終わりに、大型貨客船「はくおう」(17,345総トン)で九州の西岸沖を巡る一泊二日のクルーズイベントを実施しました。応募者1,965人の中から抽選で選ばれた小中学生と引率の大人300人が参加し、船上には多くの笑顔が広がりました。 ![]() 鹿児島県の開聞岳を背景に記念撮影 |
子どもたちを乗せた「はくおう」は8月27日(土)午前、熊本県の八代港を出航、鹿児島県薩摩川内市の甑島(こしきしま)列島沖から同県の開聞岳、錦江湾沖を周遊して北上し、長崎県南東部の島原市沖で停泊。2日目の28日(日)は長崎市の通称・軍艦島沖、島原湾口を経て、熊本・鹿児島両県境の長島海峡を抜け、八代港に帰港しました。子どもたちはこの間、船上ならではのさまざまなプログラムに参加し、自由時間にはデッキで潮風を感じながら遠くの景色を眺め、卓球やジャグジーを楽しみ、思い思いにクルーズ体験を味わいました。
![]() 紙テープ投げの様子(ちなみに紙は水溶性で環境に配慮されています) 旅は八代港での出港セレモニーから始まりました。デッキから陸へ向けての紙テープ投げは、ほとんどの参加者が初体験。色とりどりの紙テープが風に舞う様子に、子どもたちはもちろん、大人たちからも歓声が上がり、船も汽笛を鳴らして応えました。 避難訓練の後、午後からは班に分かれ、操舵室見学、ロープワーク教室、翌日観察する軍艦島の講義。中でも人気だったのは操舵室見学。子どもたちは、船長の粋な計らいで、船長の帽子をかぶせてもらい、かじを握らせてもらったり、たくさんある国際信号旗のユニークな意味を教えてもらったり、双眼鏡をのぞいて進行方向を確認する役を少しさせてもらったりするなど、動いている船の操舵室体験を満喫しました。 ![]() 船長の帽子をかぶりかじを取る小学5年生の女の子 夕方は多くの参加者がデッキに出て、水平線に沈む夕日を観賞しました。甑島列島沖での星座教室は天候に恵まれ、夜空に広がる星や天の川をはっきりと見ることができました。「夏の星座は教科書で習ったけど、実際に見たのは初めて。住んでいる所ではこんなにきれいに見られない。大きくて面白かった。でも、ずっと上を向いていたから首がちょっと痛い」と素直に漏らす子もいました。島原市沖で停泊、就寝しました。 ![]() デッキで夕焼けを観賞する男の子たち 2日目午前中のプログラムは沖合からの軍艦島観察と島原湾口でのイルカウォッチング。子どもたちはプレゼントされたオペラグラスを持ち、デッキで楽しみに待っていましたが、軍艦島に最接近したところで雨に降られ、イルカの姿を見ることができませんでした。それでも「軍艦島は本当に軍艦みたいに見えてすごかった」「イルカに会えなかったのは残念だったけど、海だし、自然だし仕方ない。これも船ならではだと思います」といった感想が聞かれました。 ![]() 食事は船内レストランで。海の男のご飯は量がたくさん プログラムの最後は、全長約200mの「はくおう」が八代港に着岸する様子の見学。高層ビルが横になっているような大きな船が、決められた位置にどうやってぴたりと着岸するのか、子どもたちは興味深げにデッキから顔を出して観察していました。ゆっくり時間をかけて、水面をスライドするように慎重に横に動き、着岸が完了した際には「おお〜」と感心の声が上がりました。 ![]() 2日目、八代港に戻った「はくおう」 ● 熊本地震支援プロジェクトページ(日本財団 ウェブサイト) |