第18回全国障害者大会、大垣市で開催
観客千人、心に響け「ドンドン」フェスティバル

公益財団法人「日本太鼓財団」（松本英昭会長）は10月2日（日）、岐阜県大垣市の大垣市民会館で、日本財団助成による「第18回日本太鼓全国障害者大会」〜心に響け「ドンドン」フェスティバル〜を開催しました。障害のある人とその家族や施設関係者で構成する27団体、計360人が16都府県から参加し、全身を使ってリズムを刻む一生懸命な演奏に延べ1000人の観客は大きな拍手を送っていました。

地元のファミリーユニット童鼓（岐阜）の演奏

日本太鼓財団は1997（平成9）年に設立され現在、加盟45支部（41都道府県）、700団体、会員総数2万人に上っています。この大会は、1998（平成10）年に社会福祉法人富岳会（静岡県）主催で「第1回全国障害者太鼓演奏会」が開催された際「ぜひとも数多くの障害者団体にも出演機会を」との要望があり、その後、日本太鼓財団主催、富岳会共催として生まれ変わりました。大会名も現在の名前に変更、障害者チームの底辺拡大や全国各地の仲間との交流を目指して回数を重ねてきました。岐阜県での開催は2002（平成14）年第4回恵那大会以来2回目です。

開演に先立ち、主催者を代表してあいさつした塩見和子・日本太鼓財団理事長は、日本太鼓財団の活動内容や富岳会が始めた大会の経緯、そして富岳会が約40年前から補助セラピーや自己表現の手段として太鼓を障害者の療育に取り入れていることなどについて説明しました。第1回大会の時は13団体が舞台に立ち、今回は27団体と倍になり、18回連続出場が3団体、初出場が、はばたけ手をつなぐ育成会「はばたけ鼓心」（兵庫）と、和太鼓 花の木組（長野）の2団体であることを紹介しました。

その上で塩見理事長は「障害のある人が、いかにして自分で自分の能力を、周りの人の協力を得て発揮し、自立していくか、そのことが一番重要だと思っています。太鼓を始めると、みんな変わってきます。規律や礼儀、頑張るということが、太鼓をたたくことの中に全部入っています。知的、視覚、聴覚、いろんな障害のある方がいらっしゃるけども、太鼓を思い切りたたいて、思い切り力を出して、そして表現するということを覚えてもらうことによって、それぞれの人が自立し、隠れた才能が出てきて、発揮するようになる。それを私は一番の心の支えとして、この日本太鼓全国障害者大会のプロジェクトをこれからも続けていきたいと思っています」と述べ、みんな頑張ってほしいと呼び掛けました。

来賓のあいさつの後、早速全団体の演奏に入りました。各団体とも演奏の前に代表が、太鼓にかかわったいきさつや年数、練習の様子について発表し「太鼓をたたくことが楽しい」という声がたくさん聞かれました。45人に上る大集団から2人組まで、みんな精いっぱい躍動感溢れるバチさばきを披露し、「ドーン、ドーン」という大太鼓の音から「トントントントン」という小太鼓の連続音まで、文字通り「心に響く」日本太鼓の振動が、広い会場全体にたっぷり伝わっていました。

この日会場では耳が聞こえない参加者や観客のために、プログラムのすべてに手話通訳が行われました。次回第19回大会は2017年10月1日（日）に静岡県・御殿場市民会館で開く予定です。

出演した27団体は以下の通りです（出演順、カッコ内は都道府県）
1. 恵那のまつり太鼓（岐阜）
2. 諏訪どんどん太鼓（長野）
3. 徳島県立国府支援学校 和太鼓部（徳島）
4. 四国中央いわくら太鼓ろうあ部会「鼓龍会」（愛媛）
5. 与謝の海ぶちあわせ太鼓（京都）
6. 富岳太鼓 竜神組（静岡）
7. はばたけ手をつなぐ育成会 「はばたけ鼓心」（兵庫）
8. 新潟ろうあ万代太鼓 豊龍会（新潟）
9. 石川県立明和特別支援学校 龍剣太鼓（石川）
10. 金谷大井川川越し太鼓浜松チャレンジチーム（静岡）
11. 神戸ろう太鼓集団 鼓神（兵庫）
12. 伊豆医療福祉センター どんつく（静岡）
13. 鼓友 夢光組（富山）
14. 金谷大井川川越し太鼓チャレンジチーム（静岡）
15. 山城ノ國 和太鼓 鼓粋 「絆」（大阪）
16. 甲州ろうあ太鼓（山梨）
17. にこにこ青年講座 風のひびき（静岡）
18. あそかの園 同朋太鼓（山口）
19. やまびこ太鼓（福島）
20. 糸口学園 糸口太鼓（大分）
21. 南陽園 ふれあい和太鼓（石川）
22. 和太鼓 花の木組（長野）
23. 豊中ろう和太鼓クラブ 「鼓響」（大阪）
24. なごみ太鼓喜楽（静岡）
25. 京都 和太鼓 龍船・昴（京都）
26. 大江戸助六流 東京ろう者和太鼓倶楽部 「鼓友会」（東京）
27. ファミリーユニット童鼓（岐阜）

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