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2016年10月05日(Wed)
1万人の技術者育成し海洋開発強化
海洋国家として50兆円市場に対応
産学官公でコンソーシアム設立


左から宮原副代表、笹川代表、市川副代表

左から宮原副代表、笹川代表、市川副代表

 海洋開発に携わる人材育成を目指す「日本財団 オーシャンイノベーションコンソーシアム」が10月4日、産学官公のオールジャパン態勢で発足しました。2030年には50兆円に膨らむとされる海洋開発市場に対応するため現在、2000人強にとどまる海洋開発技術者を同年までに5倍の1万人に増やすのが狙い。安倍晋三首相も昨年7月の海の日に海洋国家・日本の基本戦略のひとつとしてコンソーシアムを通じた人材育成システムの構築を打ち出していました。

コンソーシアムの設立総会は東京・赤坂の日本財団ビルにジャパン マリンユナイテッド、商船三井、日本海洋掘削、日本郵船、三井造船など企業12社のほか、大学12校、4公的機関が参加して行われ、代表に日本財団の笹川陽平会長、副代表に日本郵船株式会社の宮原耕治相談役と日本海洋掘削株式会社の市川祐一郎社長を選びました。

設立総会後の会見で笹川代表は「世界6番目の排他的経済水域を持つ日本には豊富な海底資源や洋上風力発電など再生可能エネルギーがあり、効率的に活用できれば日本の資源の可能性は大きく広がる」とあいさつ、宮原副代表も「海洋開発は日本の成長戦略の柱のひとつであり将来を担う人材育成を急ぎたい」と決意を語りました。

一足先に実習を終えた学生17人も加わり記念撮影

一足先に実習を終えた学生17人も加わり記念撮影

手渡された履修証明書

手渡された履修証明書



日本の周辺海域では天然ガスの主成分となるメタンを含むハイドレートや金や銀が堆積する熱水鉱床、レアアースを含む泥など豊富な資源の存在が確認されているほか、島国特有の地形から洋上風力発電や波力発電など多様な可能性が指摘されています。約30兆円に上る海洋石油・天然ガス市場で見ると日本のシェアは約1%、2.3兆円の洋上風力発電市場に至っては0.01%未満と遅れており、今後、市場を獲得していく上でも技術、ノウハウを持った海洋開発人材の育成・確保が急務となっていました。

しかし主な海洋開発関連企業23社で見ると、技術者1万5000人のうち海洋開発技術者は2200人にとどまり、背景には海洋開発産業の魅力が学生に浸透していない、学生と企業が連携する仕組みや現場経験を積む実証フィールドがない、などの課題がありました。

コンソーシアムでは、海洋開発の人材育成に取り組む国内唯一の総合的な組織として、大学生や大学院生さらに企業の若手技術者を対象に、セミナーやカリキュラム・教材の開発、外国の企業や大学とも協力した海外派遣制度や奨学制度を充実させ、2020年には強固な人材育成システムを完成させたいとしています。

満席となった記念シンポジウム会場

満席となった記念シンポジウム会場

 2030年までに1万人の人材を確保するには、年平均500人を超す人材の育成が必要となる計算。海洋石油や商社、海運、造船など幅広い分野の企業が海洋開発への参入を目指しており、コンソーシアムでは参加企業や参加大学の拡充を図る一方、海洋開発事業の産業としての発展に道筋がつけば探鉱・試掘―開発・生産―輸送といった新たな産業構造・人的需要が拡大し、目標達成は可能と見ています。

コンソーシアムの設立に先立ち日本財団では今年度、計17人の学生をノルウェーの石油会社やスコットランドの大学に1〜4カ月間派遣するなど実習機会を提供しており、10月5日には一人ひとりに履修証明書が手渡されました。

また4日にはコンソーシアムの設立を記念した海洋開発国際シンポジウムも開催され、前国際エネルギー機関事務局長の田中伸男・笹川平和財団理事長や40年以上、エネルギー産業に従事した実績を持つ米国エンジニアリング会社の最高業務執行責任者ミルバーン・ネーゲル氏ら国内外の6人が講演しました。

講演する田中理事長(左)とミルバーン氏

講演する田中理事長=左=とミルバーン氏

講演する田中理事長(左)とミルバーン氏



この中で田中理事長は「嵐の中のエネルギー戦略」と題した基調講演で「エネルギー安全保障は今後不安定になり、多様なソースを持つことが一層、必要になる」、「アジアもエネルギー安全保障に向け大きな枠組みに入っていく可能性があり、日本とロシアの接近はそれを可能にする第一歩になるかもしれない」などと述べました。



● 日本財団 オーシャンイノベーションコンソーシアム ウェブサイト






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