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2016年06月16日(Thu)
子どもが家庭で育つ社会に向けて
里親制度を推進するモデル事業開始
官民と日本財団が協定結ぶ


日本財団は6月9日、里親制度を推進するための協定書を大阪府庁で締結しました。里親制度は生みの親と暮らすことができない子どもに家庭での養育を提供するものです。大阪府とイギリス最大の里親機関グループに所属するNPO法人キーアセット(渡邊守代表理事)、それに日本財団が官民連携で事業を進め、将来的にはこのモデルを全国へ広げることを目指します。

大阪府庁での締結式で握手する大阪府・植田浩副知事、日本財団・尾形武寿理事長、キーアセット・渡邊守代表

大阪府庁での締結式で握手する大阪府・植田浩副知事、日本財団・尾形武寿理事長、キーアセット・渡邊守代表(左から)



さまざまな事情によって家庭で暮らせなくなった子どもたちを自分の家庭に迎え入れて、温かい愛情と理解を持って養育してくださるのが里親です。里親制度は何らかの理由で家庭での養育が困難、または受けられなくなった子どもたちに、
里親委託率の諸外国との比較

<図1> 里親委託率の諸外国との比較(クリックで拡大します)

家庭での生活を通じて、大人との愛着関係の中で、健全な育成を図る制度です。日本で生みの親と一緒に暮らすことができず、社会的養護を必要とする子どもは約4万人を数え、その85%は児童養護施設や乳児院などの施設で集団生活をしています。先進諸国では保護の必要な子は里親や養子縁組などの制度を通じて家庭で育てることが一般的ですが、日本は里親への委託率が15%しかなく、子どもにとっては家庭での養育が望ましいとして、政府も15年後には33%まで引き上げることを目標としています。

都道府県別の里親委託率(平成26年度)

<図2> 都道府県別の里親委託率(平成26年度)(クリックで拡大します)

大阪府の里親委託率は2010(平成22)年度3.9%でしたが、14(同26)年度には7.3%まで上昇しました。それでも全国平均の約半分で、里親委託率の順位は全国では下から3番目でした。大阪府は、19(同31)年度までに16%に引き上げることを目標としています。今回のモデル事業の実施により委託率の上昇に弾みがつくことが期待されます。

キーアセットは、イギリスで大の里親機関(Fostering Agency)であるコアセットグループに属し、子ども中心の里親養育を推進することを目的に活動しています。これまで大阪府のほか川崎市、東京都から里親に関連する事業を受託しており、このように全国規模で里親支援をおこなっている民間団体は、日本ではキーアセットしかありせん。

児童福祉法の改正法が6月3日、公布されました。これにより、子どもが生みの親と暮らすことが適当でない場合には「家庭と同様の養育環境」、つまり里親や養子縁組家庭などの家庭環境で養育されることが原則となりました。そのため今後は子どもたちが家庭で暮らすことのできる社会に向けた取り組みがますます必要となってきます。また改正法では、児童相談所が里親の普及啓発や里親の選定、施設で生活している子どもと里親との交流など、里親に関する包括的な業務を行うことになりました。併せてこれらの業務を「里親支援事業」として民間に委託することも可能になりました。

今回の事業は、そのモデルを構築するための先駆的な取り組みです。キーアセットは、里親の募集や里親と里子の組み合わせ、里親委託後の世話や追跡調査などを一連の流れとして実施します。児童相談所と民間団体とが業務を効率的に分担することで、子どもたちや里親をより効果的に支援することが可能となります。

モデル事業の仕組み

<図3> モデル事業の仕組み(クリックで拡大します)

日本財団は本モデル事業の実施に当たり、キーアセットに1560万円を助成しています。また6月9日に大阪府・植田浩副知事、日本財団・尾形武寿理事長、キーアセット・渡邊守代表による協定書の締結式を行いました。今後はこの協定に基づいて、3者が定期的に連絡会議を開催し、事業の課題や成果を検証していきます。多くの先進国では、すでに民間団体が里親や養子縁組を手掛けており、日本でもこれから本格的に家庭養護を推進するためには行政と民間団体の連携が必須になってきます。日本財団は、今後はこの民間団体による包括的な里親家庭養育事業のモデルが日本中に広がり、将来的には国の制度として定着することを目指していきます。



● 日本財団 ハッピーゆりかごプロジェクト ウェブサイト
● キーアセット ウェブサイト







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