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2016年06月06日(Mon)
女性社員のぶら下がり/活躍の差はここから生まれる
積極的な育休利用 
企業担当者向けセミナー開催


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企業の担当者向けということもあり男性の参加も多数ありました



育休を女性が活躍するきっかけにするためのセミナー「女性活躍推進のレバレッジポイント 積極的な育休活用」(協力:日本財団)が5月25日、東京都・赤坂の日本財団ビルで開かれました。企業で人事や人材育成、またはダイバーシティ推進に取り組む担当者が主な対象で、約50人が参加。積極的な育児休業の必要性や、産前産後の女性が経験する心身の変化などについて理解を深め、どのような支援が望ましいかを考えました。

このセミナーは、ビジネススキルや専門知識を活かして社会的課題解決に取り組むNPO法人サービスグラント、産前産後の女性の支援を行うNPO法人マドレボニータと一般社団法人ドゥーラ協会が主催しました。前半は、それぞれの団体から発表、後半は、育休を取って復職した当事者も加わったパネルディスカッションを行いました。

冒頭、積極的な育休の必要性について発表したマドレボニータ代表理事の吉岡マコさんは、労働力不足が顕在化し女性の活躍が求められる中で、有職女性の約6割が第1子出産を機に離職し、離職しないとしても、復帰後のキャリアアップが望めず「“そこそこ”の仕事をすればいい」としてぶら下がり意識を持つケースが発生していることなど解説しました。そして、活躍社員とぶら下がり・離職社員の差を生むのは、産前から計画的に過ごす「積極的な育休」を経験するかどうかだと指摘し、そのための制度を整えたり、社内風土を醸成したりすることが、最強の人事施策になると訴えました。

積極的な育児施策の全体像

積極的な育児施策の全体像



サービスグラントの津田さん

サービスグラントの津田さん

続いてドゥーラ協会代表理事の宗祥子さんをはじめとする主催者団体の担当者が、出産から復職までの間の過ごし方のポイントを順に紹介しました。例えば、復職準備期(産後7カ月から)について担当したサービスグラントの津田詩織さんは、育休中の女性の約8割が復職後の育児と仕事の両立を不安として挙げており、職場復帰自体に対しても約6割が不安を抱えていると解説しました。そして、こうした不安から、「ぶら下がり」化や退職にもつながる悪循環が発生すると指摘し、復職支援の重要性を強調。そのための方策として、復職支援プログラム「ママボノ」の有効性を訴えました。

ママボノは、復職が視野に入ってきたママが、他社の育休中のママと共に仕事に近い形で共同作業を行い、復職に備えるプロボノ・プログラムのことで、後半のパネルディスカッションでは、主催者の担当者に加えて、これを活用するなどした復職後の女性たちも登壇。ママボノへの参加によって復職をより前向きな気持ちで迎えられたことを報告しました。

活発な意見交換が行われたパネルディスカッション

活発な意見交換が行われたパネルディスカッション



復職女性の登壇者からはまた、「これまで仕事を一年間休むことがなかったので戸惑ったが、育休は『留学期間』として過ごすよいという人の話を聞いて気持ちを転換できた」「キャリアをあきらめたくなかったので、産前に自分で会社を立ち上げた」「ぎりぎりまで仕事をしていたが、実は産前が大事だということに気が付いた」など具体的な経験談が披露され、終盤には、企業には社会課題を解決する事業に女性を積極的に投入する意識を持ってほしいというメッセージが壇上より投げかけられました。
タグ:育休
カテゴリ:こども・教育







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