2016年04月19日(Tue)
熊本地震の家屋損壊世帯に見舞金支給
遺族には弔慰金、NPO・ボランティア支援も
日本財団が緊急支援策第一弾を発表 「平成28年熊本地震」で日本財団は4月19日、家屋が全半壊した世帯への見舞金の支給や死者・行方不明者の遺族・親族に弔慰金、見舞金を贈ることなどを盛り込んだ緊急支援策第一弾を発表しました。この中にはNPO法人・ボランティアの活動支援や熊本城再建支援策も含まれています。緊急記者会見でこの支援策を明らかにした笹川陽平会長は、日本財団として組織を挙げて今後も、第2弾、第3弾の支援をしっかりやっていきたい、と表明しました。 ![]() 熊本地震の緊急支援策第一弾を発表する日本財団の笹川陽平会長 |
今回の支援策は大きく分けて5項目、内訳は次の通りです。 (1)緊急対策支援(総額3億円を予定) ▽障がい者や高齢者、乳幼児など特別な配慮が必要な人に対するニーズ調査・支援 ▽非常用トイレ500台配備 (2)NPO法人、ボランティア活動支援(総額10億円を予定) 被災地の復旧・復興に向けたNPO法人やボランティアの活動を上限100万円で支援 (3)家屋全半壊などに対する見舞金の支給(総額20億円を予定) ▽家屋が損壊した世帯に対し、行政発行の罹災証明をもとに1世帯当たり20万円の見舞金贈呈。 ▽死者・行方不明者の遺族・親族に対し、1人当たり10万円の弔慰金、見舞金の贈呈。 (4)住宅・事業再建資金のための融資制度の創設(総額30億円を予定) 地域の金融機関と連携し、住宅・事業再建のための資金を融資する「わがまち基金」の創設、実行。住宅や事業の再建のために無利息・無担保で融資できる制度。 (5)熊本城再建のための支援(総額30億円を予定) 被災者に希望を持ってももらえる支援として、熊本県民の誇りである日本三大名城の一つ「熊本城」の再建の一助となるよう30億円を用意。 ![]() 緊急記者会見の全景(東京都港区日本財団で) 「わがまち基金」は、東日本大震災の被災地でも、中小零細企業やソーシャルビジネスへの融資が円滑に進むよう2013年末から、岩手、宮城、福島3県の5信用金庫と連携してプロジェクトを実施しています。文化財への支援としては東日本大震災でも震災後早々に「地域伝統芸能復興基金」(まつり基金)を設立して、芸能や祭りに必要な物品の購入・制作への支援だけでなく、伝統芸能・祭りを行う場としての神社の復活プロジェクトにも助成してきましたが、城への支援は初めてです。文化財への支援額としては過去最大になります。 日本財団が災害被災地の支援に取り組むのは1995年の阪神淡路大震災以降49回目。会見で笹川会長は、災害の多い日本では緊急に使える資金を用意しておく必要があるとの考えから、東日本大震災のときの反省と経験を踏まえて日本財団は2014年に「災害復興支援特別基金」を設置し、今回は今ある資金100億円を使って支援活動をしていくと説明しました。 熊本県などで発生が続いている一連の地震では19日昼現在、亡くなった人は45人、けがをした人は熊本、大分、福岡、宮崎、佐賀の5つの県で合わせて1100人以上に上り、熊本県では16日の地震で震度6強を観測した南阿蘇村でまだ8人と連絡が取れていません。家屋の損害は膨大な数に上っています。 ![]() 被災現場の様子 日本財団は4月15日から被災地支援に実績のある専門チームを現地に派遣して、被害状況や被災者のニーズ調査を実施。同日より「熊本地震ボランティア活動資金」として支援金の受付も開始しました。 この日の会見で笹川会長は、22日金曜日に日本財団の尾形武寿理事長が熊本県の蒲島郁夫知事と会談をして、現地に「日本財団災害支援センター」の設置を願い出る方針であることも明らかにしました。これは日本財団だけが使うのではなく、NPO法人やボランティア団体などが横の連携や情報交換円滑に進め、日本財団の折衝や調整で、迅速で効果的な活動ができるようにするためです。 ● 熊本地震ボランティア活動資金(日本財団 ウェブサイト) ● 平成28年熊本地震への支援(日本財団 ウェブサイト) |