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2016年02月01日(Mon)
ハンセン病写真展を開催
写真家3人のコラボで内外の実情浮き彫りに
入場者、連日約300人にのぼり昨年上回る


入場者でにぎわう写真展の会場
入場者でにぎわう写真展の会場

世界ハンセン病の日(1月31日)を前に、ハンセン病を少しでも多くの人に知ってもらおうと、日本財団は1月29日から東京都内でハンセン病写真展を開催しました。フォトグラファー、富永夏子さんが海外で撮影した写真に加え、写真家2人が国内の国立療養所で撮った写真を交え、約80点が展示されています。東京会場の展示は2月2日までですが、その後、大阪、福岡に場所を移して続けられます。

インドのハンセン病コロニーで撮影した患者の家族が大写しになった写真が掲げられ、その隣では50インチのモニター画面で、メッセージ動画が流れる―。千代田区丸の内オアゾ内のOO(おお)広場に設置された写真展には、家族連れや近くの会社員らが多数訪れ、ハンセン病の患者や回復者の写真に見入っていました。

写真パネル約80枚のうち、約50枚は富永さんが14年間にわたってインド、エチオピア、中央アフリカ、ベトナムなどで撮影したものです。その中でも一番目を引くのは、インド・ビハール州のモティプール・ハンセン病コロニーで撮影した写真です。垣根の格子越しにカメラをのぞく子ども2人は、社会の厳しい視線をにらみつけているようにも見えます。

写真について説明するフォトグラファーの富永さん
写真について説明するフォトグラファーの富永さん

その一方、カメラに向かって微笑みかけている写真も少なくありません。アジアやアフリカの写真には、患者や回復者の貧しい生活も映し出されていて、病気と貧困の二重苦の様子が浮かび上がっていました。撮影した富永さんは「一人でも多くの人にハンセン病の現実を見ていただき、ハンセン病を考えるきっかけにしていただければ」と話していました。

富永さんとコラボした写真家は、八重樫信之さんと黒崎彰さんの2人。八重樫さんの作品は香川県高松市の大島青松園、鹿児島県鹿屋市の星塚敬愛園(ともに国立療養所)などで撮影した写真15点。黒崎さんは東京都東村山市の国立療養所全生園でハンセン病関係の資料を収集していた患者の山下道輔さんを撮影した10点が含まれています。

全生園の山下さんを撮影した黒崎さんの写真
全生園の山下さんを撮影した黒崎さんの写真

東京都世田谷区の元大学教員、向日良夫さん(68)と玲子さん(63)夫妻は、ハンセン病の写真を熱心に見つめ、語り合っていました。以前、全生園の近くに職場があったという良夫さんは「最初はなんの建物か分からず、社会から隠れて住んでいるという印象が強かった。今はだいぶ変わってきているようですが、元患者の中には地元の人と顔を合わせても挨拶しない人がいると聞きました。まだまだ社会的差別があるのでしょうね」と話していました。また、会場に中に入るのをためらっていたお年寄りの女性は「つらい思いを感じているため、中へ入る勇気がありません。ただ、このような真実を広める活動をしてくれ、感謝しています」と語り、中に入らず帰りました。

写真を見ながら語り合う向日さんご夫妻
写真を見ながら語り合う向日さんご夫妻

会場には、アンケート用紙が置かれ、記入した方にはイラストレーター・安齋肇さんが描いたステッカーやクリアファイルが贈呈されますが、連日百人を超す方が記入していました。また、ハンセン病の写真冊子やリーフレットも次々にさばけていました。この写真展は昨年も同じ場所で開催されましたが、入場者は昨年より多く、関心の高さを示しています。今年はハンセン病患者を長年隔離してきた「らい予防法」が廃止されてから20年の節目にあたることから、ようやく落ち着いてハンセン病を考えるきっかけになったとも言えそうです。

なお、大阪会場は3月1日から5日まで、ツイン21 アトリウムで、福岡会場は3月9日から13日まで、イムズプラザで開催されます。
タグ:ハンセン病
カテゴリ:健康・福祉







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