2015年12月22日(Tue)
インクルーシブな社会を目指して
ユネスコと協力して障害者芸術祭
日本財団 バリアフリーマップ開発も 日本財団は12月21日、東京五輪・パラリンピック(2020年)での障害者芸術祭の開催と情報コミュニケーション技術(ICT)を使った障害者教育の推進について国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)と合意したことを正式に発表するとともに、株式会社「ミライロ」(垣内俊哉社長)と本格的なバリアフリーマップの共同開発を進めることを明らかにしました。 発表する笹川会長=左=、中央は大野常務理事 |
インクルーシブな社会を目指す同財団の活動の一環で、発表で笹川陽平会長は「健常者と障害者の垣根のない社会、皆が皆を支える社会に向け、2020年に東京を訪れる世界の人々に障害者芸術祭の素晴らしさを味わってもらえるよう準備を急ぎたい」と述べました。 ミャンマーで行われた2014年芸術祭の舞台 障害者芸術祭とICT教育に関しては12月3日、フランス・パリのユネスコ本部でイリナ・ボコヴァ事務局長と笹川会長が協定書に調印しており、調印式でユネスコが計画する「世界ですぐれた活動をする障害者100人」の出版事業に関連して、障害者のオピニオンリーダーが東京に集うサミットの開催についても基本合意しています。 2006年、ラオスの芸術祭では和太鼓も演奏された 東京五輪は2020年7月24日から8月9日まで、東京パラリンピックは8月25日から9月6日まで開会の予定で、芸術祭、サミットはパラリンピック開催中を視野に具体的な開催計画が検討される見通し。障害者芸術祭はこれまでにもラオス、カンボジア、ベトナム、ミャンマーで計5回を開催されており、2017年にもシンガポールで開催の予定。日本財団ではユネスコとも協力、欧米のアーチストにも広く参加を求めていく考えです。 スマホ画面を使ってアプリを説明する垣内社長 一方、バリアフリーマップは道路の段差や飲食店などの障害者用トイレの有無など各種情報を障害者や高齢者向けにまとめた地図で、近年、自治体や社会福祉協議会などから発刊されており、日本財団でもミライロに発注して地図アプリ「Bremen」を開発、来年4月の供用開始を目指してきました。発表で大野修一・日本財団常務は、「当面、100万件の店舗や施設情報を目標に共同開発を進め、海外から多数の訪問客が予想される2020年までには多言語化、グローバルスタンダード化を実現したい」としています。 階段を使ってアプリ投稿の実演も行われた また自らも車イスを利用する垣内社長は「階段ひとつとっても、それが1段か2段かによって利用できるか否かが変わります。知的障害者や精神障害者には店内の雰囲気に関する情報なども必要で、皆が幅広い情報を寄せてくれるようなムーブメント、CSR(企業の社会的責任)の一環で企業が情報を寄せてくれる仕組みづくりも進めていきたい」と抱負を述べました。 |