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2015年12月15日(Tue)
「情報アクセシビリティ・フォーラム2015」開催
秋篠宮妃殿下がおはなし、手話・スライドを交え
日本財団理事長が講演、電話リレーサービスも紹介


手話言語法と情報・コミュニケーション法(仮称)の運動を国民にもっと知ってもらい、市民にまだなじみがない情報アクセシビリティへの理解を広めていく━全日本ろうあ連盟(石野富志三郎理事長)は12月12、13の両日、そんな目的の「情報アクセシビリティ・フォーラム2015」を、日本財団の助成を得て、東京・秋葉原で開きました。秋篠宮妃殿下が手話を交えながら、スライドもご自分で用意されて、おはなしになりました。日本財団からは尾形武寿・理事長が特別講演をしました。2016年春から導入予定の日本財団電話リレーサービスの新システムも紹介しました。フォーラムは2年前にも同じ会場で開催され、全国から延べ約1万2000人の来場がありました。今回は延べ約9800人の参加がありました。2016年4月には障害者差別解消法がスタートします。

おはなしになる秋篠宮妃殿下

おはなしになる秋篠宮妃殿下


情報アクセシビリティとは、必要な情報やサービスへの近づきやすさや利用しやすさのことを言います。暮らしの中で不便なく情報が得られるようになることは、聴覚障害者だけでなく、他の障害者や健常者にとっても大変重要なことです。

全日本ろうあ連盟によると、手話言語法は、手話はろう者にとって母語であることを示し、ろう者が日常生活や職場などで自由に手話を使ったコミュニケーションがとれることや、ろう教育に手話を導入し、ろう児や保護者が手話に関する正しい情報を得ることなどを保障し、ろう者が社会的に自由に、生きられることを目指す法律です。

鳥取県に始まった手話言語条例の制定は12月14日現在で25自治体に広がっています。手話言語法制定を求める意見書も全国自治体の99.9パーセントが採択しており、法制定に向けた動きは急速に拡大しています。

情報・コミュニケーション法は、すべての障害者のあらゆる情報へのアクセスやコミュニケーションを保障する法律です。この法律によって、すべての障害者の「情報アクセスとコミュニケーション手段の選択」の保障ができるようになれば、地域で安心して生活ができ、より豊かな社会参加が可能になります。1日も早い法整備が求められています。

秋篠宮妃殿下と次女佳子さまがフォーラム初日の式典に出席されました。秋篠宮妃殿下は声と手話に加え、スライドも用意しておはなしになりました。1964年の東京オリンピックの際、競技種目が一目で分かるように絵文字を導入し、文字が読みにくい人や日本語が分からない人に競技種目を伝えて、世界的に高い評価を受けた例のほか、手で触る、強い振動で知らせる、色の面積で知らせる、など適切な機能を持った時計や最新の情報通信機器なども紹介して「災害の時も、普段の生活の中でも、いつでも、どこでも、誰でも、必要な情報、役立つ情報を受け取り、自ら情報を伝えることができるようにすることは、大変重要なことだと思います」と述べられました。

主催者あいさつをする石野富志三郎・全日本ろうあ連盟理事長

主催者あいさつをする石野富志三郎・全日本ろうあ連盟理事長

式典では最初に、石野理事長が「コミュニケーションは人が人として生きていく上で最も大切なものです。障害の有無にかかわらず、いつでも、どこでも、誰からでも自由に情報を受け取ったり発信したりすること、コミュニケーションの方法や手段を自らの意思で自由に選択すること、が重要であり、それが当然の権利として保障されることが、私たちの自立を促し、社会への完全参加に大きくつながるものと確信しています。少しでも当事者の思いを知っていただけるよう、このフォーラムが障害者のアクセシビリティへの向上につながる第一歩となることを願ってやみません」と主催者あいさつをしました。この後、安倍首相夫人の昭恵さんをはじめ来賓のあいさつがありました。

特別講演をする尾形武寿・日本財団理事長

特別講演をする尾形武寿・日本財団理事長

式典終了後、尾形・日本財団理事長が特別講演をしました。尾形理事長は「障害者対策は私どもの事業の柱の大きな部分を占めています。日本は世界に誇れる立派な国なのに、障害がある方々が活動するには、まだまだ手当てが足りません。何から何まできちっとしなくてもいい。今よりももう少し良くなって、それから次にもう少しよくなって、ということで十分です。お互いがお互いを譲り合うような、そういう町づくり、そういう人と人との触れ合い、コミュニケーションがとれる、そういう町づくりが大切ではないでしょうか」と呼び掛けました。

併せて尾形理事長は、聴覚障害者のための日本財団電話リレーサービスについて説明しました。東日本大震災で障害者の死亡率が住民全体の2倍以上でであったという報告を重く受け止め、聴覚障害者の避難生活や復興を支えるため、岩手、宮城、福島3県を中心に電話リレーサービスを無料で提供、震災半年後の2011年9月の開始から2年間で、利用者302人、利用回数は5732件に上りました。13年9月からは全国の聴覚障害者にサービスを広げ、現在までの利用者は約2000人に達しています。この11 月に新たな募集、 12月に追加募集を実施したところ、大変多くの申し込みがありました。15年度は利用者を4000人に拡大しました。

2016年春から導入予定の日本財団電話リレーサービスの新システム

2016年春から導入予定の日本財団電話リレーサービスの新システム

シンポジウム「私たち当事者団体のチャレンジ」の全景

シンポジウム「私たち当事者団体のチャレンジ」の全景

「今回のフォーラムは、講演やワークショップをメーンにした「学ぶフロア」、国内の情報アクセシビリティの機器やサービスを体験できる「感じるフロア」に加え、手話言語条例を制定した自治体からも協力を得て特別展も実施し、内容の濃い大会となりました。

各種の最新技術が紹介されていました

各種の最新技術が紹介されていました

「私たち当事者団体のチャレンジ」と題したシンポジウムでは、聴覚・視覚に障害のある当事者団体が、情報アクセシビリティにかかわる取り組みや課題、要望をアピールしました。「自治体のチャレンジ」のシンポジウムでは全国の自治体に先駆けて手話言語条例を制定した鳥取県の平井伸治知事が講演、同条例を制定した自治体の各首長が成果や課題、展望を議論しました。

「誰にでもすぐ電話できる環境づくり」のワークショップでは、参加者が電話リレーサービスを実際に体験して、聴覚障害者がいつでも電話できる、よりよい環境づくりについて考えました。情報通信・放送・映像コーナーでは、聴覚障害者の生活向上に寄与する最新技術や情報アクセシビリティにかかわる機器などを、日本財団のブースでは2016年春から導入予定の日本財団電話リレーサービスの新システムを、それぞれ紹介しました。

日本財団はことし9月、鳥取県米子市で開かれた「手話パフォーマンス甲子園」で、優勝した奈良県立ろう学校と地元鳥取県で最高点をあげた鳥取県立鳥取聾学校に日本財団賞を贈呈。2校は今回のフォーラムに招かれ、パフォーマンスを披露しました。

奈良県立ろう学校高等部のみなさんによるパフォーマンス

奈良県立ろう学校高等部のみなさんによるパフォーマンス

鳥取県立聾学校高等部のみなさんによる高校野球をテーマにした寸劇発表

鳥取県立聾学校高等部のみなさんによる高校野球をテーマにした寸劇発表






● 全日本ろうあ連盟 ウェブサイト
● 電話リレーサービス ウェブサイト
● 言語としての手話を広げよう(日本財団ウェブサイト)






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