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2015年12月04日(Fri)
ユネスコと日本財団がタイアップ
障害者教育や芸術祭推進
2020年、障害者サミット計画も


すべての人が尊厳を持って生きるインクルーシブな社会の構築に向け国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)と日本財団は、情報通信技術(ICT)を活用した障害者教育や2020年の東京五輪・パラリンピックでの「世界障害者芸術祭」に協力して取り組むことになり、国際障害者デーの12月3日、フランス・パリでユネスコのイリナ・ボコヴァ事務局長と日本財団の笹川陽平会長が協定書に調印しました。

調印後、握手するボコヴァ事務局長と笹川会長
調印後、握手するボコヴァ事務局長=右=と笹川会長

また調印式では、世界で優れた活動をする障害者100人を紹介するユネスコの出版事業計画に関連して、笹川会長が「2020年に関係者を東京に招待して障害者サミットを開催するのはいかがか」と提案、ボコヴァ事務局長も「すばらしいアイデアだ」として協力を約束し、今後、具体策を検討することになりました。

国際障害者デーのイベントが開催されたユネスコ本部会場
国際障害者デーのイベントが開催されたユネスコ本部会場


その上でボコヴァ事務局長は「日本財団のサポートに感謝する」と謝辞を述べ、「ユネスコ東京パラリンピックで障害者国際芸術祭を一緒にやれることをうれしく思う」とコメント。笹川会長も「2020年のパラリンピックにはユネスコの力も借りて障害者の文化芸術を大きく取り入れていきたい」と語りました。

それぞれ協定書にサインした
それぞれ協定書にサインした


ユネスコは昨年11月、インド・デリーで開催した会議で、障害者教育におけるICTの活用を決議。2011年にASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国を対象に「障害者公共政策大学院」(IDPP)を立ち上げるなど、この分野で先行した取り組みをしている日本財団との相互協力の話が進められてきました。

調印式の後、国際障害者デーを記念した講演会も行われ、笹川会長は日本財団のパートナーであるオーストラリア出身の青年が視覚障害者向けに開発した文字を音声に変換できるソフトの無料公開や授業の一部をオンラインで進めるIDPPの取り組みを紹介した上で、障害者が参加できる社会づくりの必要性を訴えました。

障害者デーイベントで講演する笹川会長
障害者デーイベントで講演する笹川会長


障害者芸術祭に関しては既に日本財団がミャンマーやカンボジアなどASEAN各国で開催しており、関係者は「東京五輪以降、パラリンピックをセットで開催することで国際的なイベントに育てたい」としており、2017年にシンガポールで開催される「アジア太平洋障害者芸術祭」には欧米のアーチストにも広く参加を呼び掛ける方針です。

11月13日に起きた同時多発テロを受けパリ市内に厳しい警戒態勢がとられる中、国際障害者デーのイベントには各国から約150人の関係者が参加しました。
タグ:ユネスコ
カテゴリ:障害者支援







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