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2015年11月05日(Thu)
市民参加のイラストを世界へ
東京・東村山の多磨全生園まつりで実施
ハンセン病「グローバル・アピール2016」に


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たくさんの市民が参加して描かれたイラスト


国立療養所多磨全生園(東京都東村山市)で11月3日、「全生園まつり」が開催され、アートユニット「UWABAMI」(うわばみ)が、希望する市民のイラストを描く市民参加型のライブイベントが行われました。このイラストは来年1月、ハンセン病患者や家族の差別撤廃を世界に訴える日本財団主催の「グローバル・アピール2016」のサイドイベントとして世界に向けて発信されることになっています。
 
「みなさん、イラストのモデルになりませんか!」
模擬店や和太鼓の演奏などでにぎわう広場の中心で公益財団法人・人権教育啓発推進センターの職員が声をからして呼びかけていました。そのそばで、大きなキャンバスに向かって「UWABAMI」のメンバー、武藤亮人さんと原田薫さんがマジックペンと絵の具を使い、呼びかけに応じた市民を描いていました。ボランティア仲間3人と一緒に来た地元の中学2年生、赤見玲奈さん(13)は「自分たちの似顔絵を描いてもらえるなんて思わなかった。とてもうれしい」と感激していました。

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自分たちの似顔絵に見入る子どもたち


家族連れやカップルで立ち寄った人も多く、イラストレーター2人が描く人物やペットの犬などを見て「上手ね」「よく似ている」と、感心していました。参加希望者が次第に増え、昼過ぎにはキャンバスの半分以上が埋まりました。今後、全生園の建物や森を背景に描いて仕上げ、ポスターに加工して全国各地で展示することにしています。

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イラストを描く武藤さんと原田さん


日本財団では、こうした市民参加のイラスト制作を今後、鹿児島県の「奄美和光園」などでも行い、四季折々の国立療養所の現状を描くことにしています。出来上がったイラストは、インターネットを通じて世界中に発信する予定です。

多磨全生園は全国に13ヵ所ある国立ハンセン病療養所の一つです。昔はらい病と呼ばれ、恐れられたハンセン病も有効な治療法が確立し、感染や発病はなくなっています。しかし、患者やその家族は教育、就職、結婚などで社会的な差別を受けており、社会問題になっています。このため、日本財団は毎年1月、「グローバル・アピール」を発表し、ハンセン病に対する差別や偏見の解消に取組んでいます。

● 多磨全生園 ウェブサイト
● グローバル・アピール ウェブサイト
● ハンセン病制圧活動ウェブサイト







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