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2015年09月28日(Mon)
「手話パフォーマンス甲子園」開催
社会の理解呼び掛け高校生が熱演
優勝は奈良県立ろう学校


全国の高校生が手話を使い、演技を競う「手話パフォーマンス甲子園」が9月22日、鳥取県米子市の米子市公会堂で開かれた。全国に先駆けて「手話言語条例」を制定した鳥取県。手話をもっと身近なものとして理解してもらおうと昨年この大会を始め、今年は2回目。全国の高校から47チーム、50校の応募があり、予選を勝ち抜いた20校が熱演、奈良県立ろう学校が優勝した。

ろう者と聞こえる人がお互いを理解し、一緒に生活することができる社会を築くため、鳥取県は2013(平成25 )年10月、手話を言語と認め手話を普及する、全国初の手話言語条例を制定した。この条例の理念に基づき、手話の普及や、手話を通じた交流の推進、地域の活性化を図ることを目的として、高校生が手話を使って、さまざまなパフォーマンスを繰り広げ、その表現力を競う「手話甲子園」を昨年スタートさせた。

手話を交えて、あいさつをされる佳子さま.JPG
手話を交えて、あいさつをされる佳子さま


秋篠宮家の次女佳子さまが開会式であいさつに立ち「手話は言葉であり、大切なコミュニケーション手段の一つです。この大会を通して、手話に対する理解と、聴覚に障がいのある方々に対する理解が、いっそう深まるとともに、この大会が皆さまの素晴らしい思い出となりますことを願います」と手話を交えて述べられた。

大会の主催は鳥取県の平井伸治知事が会長を務める実行委員会。平井知事は主催者を代表して「鳥取県は手話言語条例を制定し、学校で手話を学ぶ、タブレット端末を使って手話通訳をするほか、最近は音声文字変換システムを導入し、県庁や駅などに設置をした」などと県の積極的な動きを紹介。ろう者の暮らしやすい環境づくりを進めるため「私たちの願いは鳥取県から全国へ『手話革命』を起こしていくことだ」と訴えた。

主催者あいさつをする鳥取県の平井知事(左).JPG
主催者あいさつをする鳥取県の平井知事(左)


全日本ろうあ連盟の石野富志三郎理事長は「聞こえない高校生と聞こえる高校生が同じ舞台に立つ、この大会には大きな意味があると思う。当連盟は今年8月末、手話がろう者の言語であり、情報格差のない、共に暮らせる社会をつくるため、手話言語法が必要であると、国の手話言語法の制定を求めて、国会議事堂周辺でパレードした」と説明。「パレードで出会った小学生や、手話に出会った子どもたちが高校生になったとき、聞こえる、聞こえないにかかわらず、手話を使って自己表現ができるようになって、ぜひこの大会に参加してほしい」と呼び掛けた。

来賓あいさつをする日本財団の尾形理事長.JPG
来賓あいさつをする日本財団の尾形理事長


大会開催を支援してきた日本財団の尾形武寿理事長は「日本財団は聴覚障がいだけでなく、ありとあらゆる障がい者に対して、この世の中で当たり前に生活できるような、そんな環境をつくるべく努力をしている。お年寄りや障がい者の方々が、一般に生活できるような社会づくりにまい進していきたい。日本中の人々が、手話というものがごく当たり前のコミュニケーション手段として理解できるような、そんな世の中を共につくっていこう」とあいさつした。

第1回大会の優勝校、田鶴浜高校(石川県)が優勝旗を返還。杏和高校(愛知県)の秦秀馬君(2年)が「この大会でたくさんの人と触れ合い、語り合い、障がいを理解し、共に生きる社会を実現する一歩となるよう、全力でパフォーマンスすることを誓います」と選手宣誓をして、各チームの演技に入った。

演技の様子

演技の様子
演技の様子


司会は、早瀬憲太郎さんと今井絵理子さん。早瀬さんは、ろう者として、学習塾「早瀬道場」を設立し、塾長としてろう児の国語指導などを行っている。NHK「みんなの手話」に講師として出演してきた。今井さんは1996年SPEEDとしてデビュー。聴覚障がいのある息子と前向きに生きる姿を公表。現在は新しいユニット「ERIHIRO」を結成して活躍中だ。

演技内容は、手話を使った歌唱、ダンス、演劇、コント、漫才などのパフォーマンス。演技時間は1チーム8分以内。手話の正確性や分かりやすさのほか、演出力やパフォーマンス度、総合的な表現力、などが審査のポイントとされた。

演技の様子


優勝した奈良県立ろう学校は2回目の出場。3年生2人、2年生2人、1年生1人の演劇部5人組。「自分が自分であるために」手話がある。「表現の世界に障がいの壁はない」をモットーにして「世界がひとつになる」未来を想像した演劇を躍動的に披露した。表彰式で日本財団は、奈良県立ろう学校と、地元鳥取県で最高得点をあげた鳥取聾学校に、日本財団賞を贈呈した。2校は12月に東京・秋葉原で開催される「情報アクセシビリティ・フォーラム」に招かれ、パフォーマンスを披露する。

尾形理事長が、優勝した奈良県立ろう学校に日本財団賞を贈呈
尾形理事長が、優勝した奈良県立ろう学校に日本財団賞を贈呈



審査委員長の庄崎(※)隆志さんは講評で「20チームとも本当に素晴らしく感動した。手話言語に対する思いと、パフォーマンスの情熱が表れていた。優勝した奈良県立ろう学校は、手の動き、体全体の表現が素晴らしかった。非常に魅力のある表現だった。昨年より、はるかにレベルアップしていた」と評価した。

優勝メンバーは喜びを爆発させ、指導の先生に心から感謝する言葉を述べた上で、一人は「前回は特別賞だった。今回は優勝目指して頑張ってきた。本当に優勝できてうれしい」と笑顔を見せ、別の一人は「皆と一緒に練習を積み重ねてきて、この舞台で発表できたことを誇りに思う」と話した。

手話にダンスを取り入れたダンスグループ「HAND SIGN」の最新シングル「♪友達」は今回の大会の公式ソングに採用。最後に、舞台に上がった「HAND SIGN」のメンバーとともに舞台、会場が一体となってこの歌を大合唱して、大会を締めくくった。

※庄崎隆志さんの崎は正しくは「大」が「立」です。


公式ソングとして採用されている、ダンスグループ「HAND SIGN」の「♪友達」を全員で合唱
公式ソングとして採用されている、ダンスグループ「HAND SIGN」の「♪友達」を全員で合唱


【成績は次の通り】

演 目出場回数
優 勝奈良県立ろう学校(奈良県)演劇2回目
準優勝三重高校・松阪工業高校・相可高校3校合同チーム(三重県)ダンス2回目
3位クラーク記念国際高校東京キャンパス(東京都)歌・ダンス2回目
審査員特別賞田鶴浜高校(石川県)演劇・歌2回目


(竹内博道)









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