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2015年05月25日(Mon)
バンコクで「アジア女性社会起業家ネットワーク会議」開催
写真@ 会議会場の様子.JPG
会議会場の様子 (C) AWSEN 2015


アジア女性社会起業家ネットワーク会議は5月20日(水)から22日(金)までの3日間、タイの首都バンコクで開催された。メコン地域(カンボジア・タイ・ミャンマー・ラオス・ベトナム)から、手工芸品ビジネスに携わる女性社会起業家28名が参加し、直面する課題や自身の経験の共有やビジネススキルの強化を行った。
社会起業家の1人、ドゥ・チ・クックさんは、ベトナム北部の山岳農村少数民族地域で、障害を持つ女性や貧困層の女性のために職業訓練シェルターを設立。入居している30人の女性職人と、伝統的な柄の織物・刺繍を施したバックや小物入れを製作している。「品質管理や社会起業支援体制の不整備など課題は多いが、今回の会議で多くを吸収して持ち帰りたい」と意気込みを語っていた。

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製品を説明するクックさん (C) AWSEN 2015


会議初日は、社会企業の世界的トレンドと各国実情報告が行われ、参加者がそれぞれの課題や経験を話し合った。2日目は、ファイナンスとマーケティングの専門家を招いて講義が行われ、タイの有名なアートクラフト企業アレクサンダー・ラモンの事業部長、世界的タイシルクブランドであるジム・トンプソンの広報部長、日本のブランド「Ka na ta」のデザイナーが参加者に製品についてアドバイスした。3日目午前は、8月までに各国で実施する事業力強化イベントと「アジア女性社会起業家ネットワーク」の今後の運営について話し合いが行われた。

グループディスカッション
グループディスカッション (C) AWSEN 2015


3日目午後は、バンコク中心地に会場を移してオープン・フォーラムを開催。UNウィメンアジア太平洋州統括ディレクターのロベルタ・クラーク氏による基調講演と女性社会起業家による事業発表が行われた。一般参加者はソーシャル・ビジネスに関心の高い企業、NGO、政府、国連関係者で、起業家たちの発表に熱心に耳を傾けていた。その後の製品販売会では、一般参加者と起業家の交流で会場は大いに盛り上がった。

タイ社会起業家の製品を購入する参加者
タイ社会起業家の製品を購入する参加者 (C) AWSEN 2015


今回の会議は参加者に好評だった。カンボジアで若者を対象に伝統的自然染色の手織物訓練を実施しているチュム・チャボパさんは「成功企業のマーケティング講座で学んだことを今後の製品開発に活かしたい」と語った。タイ南部紛争地域で20人の紛争未亡人と手織スカーフを製作しているアスマ・ナクセウィーさんは「参加者同士の経験共有も非常に参考になり、専門家のアドバイスで、私たちの製品の潜在的可能性に気付かされた」と話し、ラオスで起業家育成を行うボリボン・ファフォンさんは「全てのセッションがとても勉強になり、自分の団体で訓練を実施する際に活用したい」と語っていた。

参加者集合写真
参加者集合写真 (C) AWSEN 2015


今後、9月に東京で本会議の報告会、11月に「第2回アジア女性社会起業家ネットワーク会議」の開催が予定されており、メコン地域を始めとしてアジアにおける女性社会起業家ネットワークの活性化が期待される。(田中麻里)

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タグ:ミャンマー 女性起業
カテゴリ:世界





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