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2015年01月22日(Thu)
「マツコさん 再び 〜第二のハンセン病を生まないために、いま考える〜」

マツコ・デラックスさんからのメッセージ


 1月25日の「世界ハンセン病の日」に向け、日本財団は昨年12月1日にハンセン病の理解を呼びかける応援メッセージ動画サイト「THINK NOW ハンセン病」を開設した。このサイトには長年ハンセン病問題と闘ってきた日野原重明さんやダライ・ラマ14世をはじめ、安倍昭恵首相夫人、ゆるキャラのくまモン、横綱の白鵬関ら800人以上がメッセージを寄せている。その一人にタレントのマツコ・デラックスさんも。マツコさんはメッセージで「ハンセン病は様々な偏見や差別の縮図」、「ハンセン病の解決は偏見や差別問題を解決するための象徴的な存在」とコメントし、このコメントが注目を集めている。そこで、マツコさんの偏見や差別に対する思いを改めて聞いた。

以下はマツコさんのコメントの要約である。
「恐怖心が差別を生む」
ハンセン病に対する差別には、様々な差別に共通する人々の心理が隠れている。人間はなぜ特定の対象を攻撃し、反感を持つのか。それは恐怖心からではないか。人間はときに、わからないもの、未知のもの、知らないもの、あるいは自分と異なるものに恐怖を抱く。容姿であったり、思想であったり。理解できないことを理解しようとするでもなく、理解できない、分かり合えないままにしておくから自分と異なるもの、理解できないものに恐怖を抱いてしまうのだろう。恐怖心は偏見や差別、攻撃につながる。差別はいけないことだと理論ではわかっていても、差別の根っこにある恐怖心が勝ってしまう。

「マイノリティがマイノリティを攻撃」
差別のなかでも深刻なのが、マイノリティがマイノリティを差別の対象としてしまうこと。ハンセン病の差別の裏には、貧困や閉鎖的な社会にあったのではないか。その昔、ハンセン病ではない人たちも苦しい時代があった。ある意味ではそのような人たちもマイノリティであり、差別の対象になっていたのだろう。そのようななかで標的を作ってしまう。自分たちよりも劣っている部分があるではないか、というように自分たちを正当化してしまう。このような差別的な構造がハンセン病の根源にあると思う。

「第二のハンセン病問題」
様々な差別の要素がハンセン病の差別に含まれているから、世の中には数多くの病気や立場があるのにいまだにハンセン病には偏見や差別が残っているのではないか。ハンセン病の患者が隔離されていた時代に比べれば、現代の日本は豊かになっている。以前ほど自分たちがマイノリティであったり、差別されていたりしていると思っている人は多くはないはずだ。しかし、根っこにある部分が変わらないからハンセン病の偏見や差別が残っていると思う。心配なのは、自分たちが虐げられていると思っている若者が増えているなかで、差別につながる発言が表面化していること。ネットの普及はみんなが胸の内に秘めていた思いを表面化できるようになった。若者世代の、自分たちが損をしているのではないか、日本に未来はないのではないか、といった鬱屈した思いと差別的な発言が表面化する状況が重なり合うことで、新たな差別の標的として第二のハンセン病が生まれてしまうのではないか。そのような懸念、不安を感じている。

「本質を知ること」
ハンセン病の差別問題を考えることは、差別の構造を理解すること。理解していないことが差別につながる。理解しようとも思わないことが攻撃につながる。ハンセン病の問題がなんとなく収まったからといってうやむやにしてはならない。改めてハンセン病が差別の対象となった背景、悲惨な状況が生まれ、被害にあった人たちがいることを知ることが大切だと思う。無知であることが結果的に差別という発想につながってしまうことを、改めて考える時期に来ている。

「自覚することが差別をなくす」
まったく差別のない世の中はいままでになかった。ハンセン病の人たちを苦しめてきた差別問題が、平和な時代が続いたことで表に出なくなった。しかし、同じ問題が起きてしまう恐れがあることを自覚しているか、していないか。自分たちの行動の中に差別を生んでしまう危険性があると思っているのと、思っていないのと。知っているか知らないかで、その先の結果が変わってくる。知ることで恐怖心は軽減できるだろう。知ろうともしない、理解しようともしないことは、ただ恐怖心を膨らませるだけで、結果的に人を攻撃することにつながってしまう。最近、一時の快楽のためにネットに書き込んでしまう人が散見されるようになった。それは偏見や差別を助長させるだけ。すごく怖いことだ。

マツコさんは、今一度、ハンセン病の偏見や差別について考えてみたいと話され、こんな偉そうなことを言ったら、「偉そうに、と非難されるかな」と終えた。

再度いただいたメッセージ映像は「THINK NOW ハンセン病」のサイトでご覧下さい。






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