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2014年11月13日(Thu)
国際研究用の北極観測船建造、提案へ 2回目の国際セミナー開催
北極観測船の必要語る笹川会長
北極観測船の必要語る笹川会長


 国際的な関心が高まる「北極海航路の利活用に向けた国際セミナー」が11月7日、東京都内のホテルで開催された。海洋政策研究財団(OPRF)の主催で、昨年に続いて2回目。挨拶に立った日本財団の笹川陽平会長は「地球温暖化により、北極海航路の本格利用が現実味を帯びてきている」とした上で、近く政府に対し、国際共同研究用の北極観測船の建造を提案していく考えを明らかにした。
北極海航路
北極海航路(海洋政策研究財団「日本北極海会議報告書」より)


 セミナーにはロシア中央船舶海洋設計研究所、ロシア国営原子力船公社、チュディ海運、ノルディック・バルク・キャリアなどロシア、ノルウェー、デンマークの研究機関や船舶会社の専門家が出席。「北極海航路の新規制と可能性」、「北極海航路輸送における課題」などについて講演、パネルディスカッションも行われ、会場には海事業界やメディア関係者ら約200人が詰め掛けた。

ロシアの専門家らが参加
ロシアの専門家らが参加


 北極観測船は既にロシア、カナダ、中国、韓国が砕氷能力を持つ船を所有しているのに対し、日本は砕氷船「新しらせ」が南極昭和基地への輸送を主任務としているほか国際的には「軍艦」と認知され、北極海の運航には沿岸国の承認が必要などの制約もあって遅れが目立つ。

約200人が会場を埋めた
約200人が会場を埋めた


このため2010年度に各界の有識者で発足した「日本北極海会議」でも、北極海で通年稼働が可能な観測船の必要性が指摘され、現在、OPRFと日本財団が立ち上げたプロジェクトに国土交通省、文部科学省も参加して、砕氷能力を持つ新たな観測船の建造について規模や能力を中心に検討を進めている。年明けにもまとまる最終報告を待って政府に建造が正式提案される見通し。

北極海航路の貨物輸送は2010年4隻、11年34隻、12年46隻、13年71隻と順調に伸びたが、今年は29隻にとどまった。この日のセミナーでは、気象条件のほか、ウクライナ問題に伴う西側諸国のロシア経済制裁や中国の経済成長鈍化に伴う影響の可能性などが指摘された。来年の航行見通しに関しては、不確定要素が多く予測は難しいとしつつ今年並みを予測する声が大勢を占めた。

また北極海航路の航行に当たり義務付けられた砕氷船のエスコートやこれに伴う料金制度が一部変更されたことに対し会場からも質問が出され、ロシア側出席者は「船主の負担を減らすための工夫」とする一方、「事故はいつ起きるか分からない。砕氷能力を持つ船のエスコートが最大の安全装置であることに変わりはない」などと答えた。

セミナーには外務省の菅沼健一北極担当大使も出席、「北極海の自然環境は極めて脆弱。北極協議会(AC)のオブザーバー国として貢献していきたい」と述べ、駐日ノルウェー大使館のビョルン・ミットゥン臨時代理大使は「北極海には新しい課題も増えており、国際法の順守こそ必要」と語った。(宮崎正)
タグ:北極海 海洋政策研究財団
カテゴリ:海洋





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