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2014年11月04日(Tue)
Gakuvo 新たな飛躍へ 東北大震災 被災地派遣100陣
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福島県いわき市でオリーブ栽培の説明を受ける100陣参加の学生


 「日本財団学生ボランティアセンター」(Gakuvo)が2010年春に設立されて4年半、翌春に発生した東日本大震災の被災地への学生ボランティア・チーム「ながぐつ」の派遣も10月末で計100陣となった。今後、全国20大学を目標に各地の大学とのネットワークづくりを進めるほか、新たに「Gakubo Style Fund」を設立、被災地支援だけでなく地域興しなど飛躍を目指す。
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山梨の豪雪現場にも派遣された


 これまでのGakuvoの活動は何と言っても被災地への学生ボタンティア派遣が中心。24日から3泊4日で行われた100陣まで238大学から延べ約7350人が参加、参加学生の国籍もASEAN(東南アジア諸国連合)を中心に世界40カ国に上っている。

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クリオン島で現地の住民と復興作業をする参加者


 今年は2月、記録的な豪雪に見舞われた甲府市に7人、8月に大規模な土砂災害が起きた広島市にも12人が派遣されたほか、昨年11月、巨大台風ハイエンに襲われたハンセン病患者隔離に島、フィリピン・クリオン島にも今年2月から3月にかけて80人の学生を派遣した。

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広島の土砂災害現場でも活躍した


 内閣府の調査によると2011年、20代の若者の約60%が「社会のために役立ちたい」と答えるなど、社会貢献に向けた若い世代の意識はこの10年間でほぼ倍増している。こうした社会意識の変化も踏まえ、有識者による「学生ボランティア拡大委員会」で第2フレーズとなる2015年から5年間の活動方針を検討した結果、学生ボランティア活動の地域的、質的拡大を図る方針が確認された。

 その一つが協力大学のネットワーク。既に早稲田大学、大阪府立大学、東北福祉大学など15校と協力協定が締結されたほか、近く関西学院大など2大学とも協定締結の予定で、最終的に約20校と協定を締結、ネットワークを強化し、災害発生時の連携や協力を中心に取り組みを強化する。

 さらに過疎や伝統文化の保存など地域固有の課題に対する取り組みも強化する計画。被災地支援に関しては基本的に日本財団が立ち上げた300億円の「災害復興支援特別基金」からの支援を前提とするが、これとは別に“キミの学びが、世界をよくする”をキャッチコピーに5年間で5000万円規模のFundを立ち上げ活動の幅を広げたいとしている。

 ボランティアセンターの西尾雄志代表は「全国の約800大学のうち100校を超す大学にボランティアセンターが整備されつつあり、学生の意識も前向きに変わってきている。現在一般財団法人となっているGakuvoも、最終的により広い活動が可能となる公益社団法人化を目指したい」と意欲を見せている。(宮崎正)




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