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2014年06月24日(Tue)
選抜された6チームがバチさばきを披露 都内で太鼓チャリティコンサート
 伝統文化の和太鼓を通じて社会貢献を目指す「日本太鼓チャリティコンサート」(日本太鼓財団主催)が5月30日、都内のホールで開かれた。在日各国大使館や政財界、音楽界などから300人が招待され、寄せられた100万円の寄付金は日本と世界との文化交流活動を展開している「友情の架け橋音楽国際親善協会」に贈られた。

舞台に勢ぞろいした出場メンバーとゲスト
舞台に勢ぞろいした出場メンバーとゲスト
 今年で18回目となるチャリティコンサートは、日本財団の支援で実施している。これまで小児がんの患者とその家族の療養助成や、希少鳥類の保存と回復、フィリピン・ピナツボ火山噴火の被害者支援など様々な分野に寄付している。同親善協会は子どものための音楽絵画教室や、日本の伝統文化・芸術、和食の普及啓発を世界に発信している。2012年には千葉県内の少年少女と、韓国釜山の養護施設の子どもらとのオーケストラ合奏コンサートを都内で開催した。

 開演に先立って日本太鼓財団の塩見和子理事長が「財団に所属する800チーム、2万1000人の中から今回6チームが選ばれた」と挨拶し、出場する6団体は日本太鼓財団が主催するジュニア(18歳未満)、シニア(60歳以上)両大会の優勝チームと各地の特色のあるチームだ、と紹介。同親善協会の三村京子理事長は「芸術や文化が世界の中に大きな力を発揮する可能性を持っている。和太鼓を日本の伝統文化の1つとして(普及に)協力していきたい」と謝辞を述べた。

挨拶する塩見理事長=左=と謝辞を述べる三村理事長
挨拶する塩見理事長=左=と謝辞を述べる三村理事長

 演奏のトップを切ったのは、昨年「富士山太鼓まつり1人打ちコンテスト」で優勝した山内勇人さんを中心に、所属する障害者支援施設の職員らでつくる「富岳太鼓雷神組」(静岡県)のメンバー7人。山内さんのバチが大太鼓をたたき出すと、会場にずっしりと太い音が響き渡った。

勇壮なバチさばきの富岳太鼓雷神組
勇壮なバチさばきの富岳太鼓雷神組

 ほら貝の音とともに「エイエイオー」の勝鬨(かちどき)の声。真田10万石の城下町、長野市松代の郷土芸能を伝える「真田勝鬨太鼓保存会」の面々が、戦国時代さながらの勇壮な武者姿で太鼓を高く、低く、力強く打ち鳴らした。

勝鬨を上げる真田勝鬨太鼓保存会
勝鬨を上げる真田勝鬨太鼓保存会

 尾張地方に伝わる神楽を基にテンポの良い演奏をするのは「大治太鼓保存会」(愛知県)。細かなリズムをスピーディに連打し、前に座ったメンバーはバチを上に放り上げたり回転させたりと曲芸性の腕を披露し、会場から歓声が上がった。

大治太鼓保存会。バチを回転させ歓声が上がる
大治太鼓保存会。バチを回転させ歓声が上がる

 「住吉神社御神事太鼓保存会」(石川県)は古代から伝えられている神楽太鼓を演奏。神殿に奉じられた奇面を付けて、1つの太鼓の周りを乱舞しながら神秘的な雰囲気を醸し出しながら荒々しい音が打ち鳴らされた。

奇面を付けた住吉神社御神事太鼓保存会
奇面を付けた住吉神社御神事太鼓保存会

 昨年のシニア大会で名人位を獲得した源通博さんをメンバーとする「水舞流越中八幡太鼓保存会」(富山県)。音の強弱をつけ、緩急をつけ、太鼓の持つ音をしっかりと引き出し聴衆を魅了した。

太鼓の奥深い音で魅了した水舞流越中八幡太鼓保存会
太鼓の奥深い音で魅了した水舞流越中八幡太鼓保存会

 最後は3月のジュニア大会で優勝した「岩代國郡山うねめ太鼓保存会小若組」が登場。万葉集にも収められている和歌を笛とともに吟詠と詩舞によって表現した。

和歌を詩舞で表現する岩代國郡山うねめ太鼓保存会小若組
和歌を詩舞で表現する岩代國郡山うねめ太鼓保存会小若組

 太鼓の魅力に引き付けられた外国の人も多い。東京国際大学名誉教授のベリー・ドゥエルさんもその一人。在日40年になり、大学のある埼玉県川越市特産のサツマイモを主に和食文化を研究している。「太鼓の音はズシリと胸から感じてくる。幻想的で言葉はいらない世界だ」。太鼓を打つのが趣味だという娘さんと一緒に太鼓の世界に浸った。(花田攻)

太鼓で招待客を見送る
太鼓で招待客を見送る





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