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2014年05月27日(Tue)
国際レベルの災害救助犬育成目指す/八ヶ岳麓にトレーニングセンター
 長野・山梨両県にまたがる八ヶ岳。その麓に広がる八ケ岳救助犬育成センター(長野県富士見町)で5月16日から18日までの3日間、国内でも数少ない国際救助犬連盟(IRO)公認の災害救助犬試験が行われ、トレーナーと救助犬が一体となってがれきの中から生き埋めとなった人の捜索活動に挑んだ。

救助犬が人を見つけ、トレーナーが合図する
救助犬が人を見つけ、トレーナーが合図する
 主催したのはNPO法人救助犬訓練士協会(神奈川県藤沢市、村瀬英博理事長)。育成センターは日本財団の支援を受けて2013年に開設した。牧場の跡地を利用した2000平方mの土地に、岩やコンクリートの塊、大型コンテナ、丸太やタイヤなどを積み上げたほか深さ3mの土管を備え様々な災害現場を再現した。

牧場跡に災害現場を再現
牧場跡に災害現場を再現

 シェパードがコンクリートのがれきの山や積み上げられたタイヤの間を勢いよく走り回る。突然、大型コンテナの裏側に置かれている木箱に向かって吠えた。トレーナーが駆け寄って「人を見つけたようです」と声を上げ、中に「大丈夫ですか」と声を掛けると被災者役が出てきた。今回の試験は2人が生き埋めになっているという設定。終了後、IROから派遣されたチェコの国際審査員が犬の集中力や自立性、トレーナーの戦略性など6項目を評価、200点満点で7割を取ると合格になる。神奈川県から参加した女性のシェパードは190点台と高得点を獲得した。「近所で災害が起きた時、救助の役に立てばと訓練しています」。愛犬は現在、神奈川県警の嘱託犬に登録され活躍している。

捜索を見つめるチェコの審査員
捜索を見つめるチェコの審査員

 災害救助犬は通常の人には反応せず、人の数千倍から数万倍の嗅覚で障害物に閉じ込められた被災者を見つけると吠えて救助隊に知らせる。東日本大震災では約100匹の災害救助犬が出動したが、国内で出動したのは半数以下。「過酷な災害現場であらゆる状況に対応できる国際レベルに達しているのは数匹ぐらいしかいない」と村瀬さんは指摘する。世界に通用するための大規模なトレーニング施設としてセンターを開設した。「大震災から3年、出動した犬も老いてくる。替わりとなる若い犬を育てたい」と意欲を示す。

コンクリートのがれきを探す救助犬
コンクリートのがれきを探す救助犬

 オーストリア・ザルツブルグに本部があるIROは、35カ国、84団体が加盟している国際ボランティア組織。国連の国際救助システムに組み込まれ、世界各地にチームを派遣する。同協会はIROが定めている国際救助犬レベルに合わせた訓練を行っている数少ない団体で、村瀬さんと愛犬はIROの「国際出動チームテスト」にアジアで唯一合格している。

 「犬の高い能力だけでは国際レベルに達しない。トレーナーは救助隊に頼らず災害現場で1週間近く自力で過ごすこともある。総合力が試される」として村瀬さんは、敷地内にある旧牛舎を改修しトレーナーの宿泊施設も整備する予定だ。

宿泊施設などに改修する旧牛舎
宿泊施設などに改修する旧牛舎

 人間の代わりに手となり足となって災害現場で捜索する救助犬のニーズは高いが、日本では民間ボランティアが育成を担っているのが現状だ。タイでは国際出動できるチームを作り救助犬を育成しているほか、ベトナムなどアセアン諸国に協力して訓練に取り組んでいる。現在、国の機関と一緒でないと国際出動できないが、村瀬さんは「アジアのチームとして組織すると出動できる」として、アジア各国との交流に力を入れている。(花田攻)
カテゴリ:地域・まちづくり





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