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2014年04月30日(Wed)
気仙沼漁港、岸壁かさ上げ工事も終わり、復興へ弾み
 日本財団が宮城県・気仙沼漁港に、東日本大震災の津波で流失した船舶陸上電源供給施設(陸電)11基を仮設置してから2年。岸壁のかさ上げ工事の進展により本設置されることになった。陸電とは、荒天時の避難や船員の休暇を目的として停泊している船に電力を供給する施設。気仙沼漁港の大きな特長である、遠く地元を離れて操業する全国の大型漁船の整備を行う「サポートセンター機能」と、全国から漁船が寄港する東北随一の「水産基地機能」を下支えしている。陸電が本設置されることで本格的に稼働し、これからの気仙沼港の復興に貢献することが期待される。

嵩上げされた岸壁に本設置された陸電
嵩上げされた岸壁に本設置された陸電
 震災発生から1年が経過した2012年当時、気仙沼漁港の岸壁は平均70センチほど地盤沈下していた。そのため、近い将来のかさ上げ工事完了後の本設置を見込んで、陸電は当初、仮設置された。その後、地域の復興計画の合意形成にも予想以上に時間がかかったうえ、他の被災地と同様、人出不足や資材高騰による入札不調が続いた。

 岸壁のかさ上げ工事は、2012年9月開始したが、計画からは大幅に遅れ、2014年3月ほぼ完成。4月10日、ようやく、陸電11基のうち、7基がかさ上げされた岸壁への本設置・稼働に至った。残り4基のうち、魚町地区の3基は設置されているが、通電工事が間に合わないため、稼働していない。魚町地区に設置予定の1基は岸壁のかさ上げ工事がいまだ完了していないため、現在は倉庫で保管され、出番を待っている。

かさ上げ工事中の岸壁の様子
かさ上げ工事中の岸壁の様子

 陸電の利用は、震災以降、落ち込んでいる。陸電の利用料は1日単位のため、利用回数は「日」で計算、2009、2010年度の利用回数は年間3000日を超えていたが、2012年4月から2013年7月までの16ヶ月間では700日にも達しなかった。岸壁かさ上げ工事の施工中だったため、陸電の設置・稼働を控えていたことが影響しているが、震災前の4分の1にも満たない。

1日4500円の利用料はプリペイド・カードで支払う
1日4500円の利用料はプリペイド・カードで支払う

 魚市場に目を向けると、震災前の2010年度と比べて、2013年度は水揚量59.6%(2010年度103千トン、2013年度61千トン)、金額69.5%(2010年度22,500百万円、2013年度15,654百万円)とこちらも苦戦を強いられた。魚価の低迷と燃料の高騰も漁業者には大きく影響した。

取材当日、魚市場ではフォークリフトが走り回っていた
取材当日、魚市場ではフォークリフトが走り回っていた

 宮城県の村井嘉浩知事は、4月21日、住宅や社会資本の再生・復興目標を定めた県の工程表を見直した結果、集団移転や道路、港湾建設などの主要事業の完了時期が、人材不足や入札不調、用地買収の難航などの理由で、当初目標の2015年度から2年ほど遅れ、2017年度になることを明らかにした。

気仙沼市内で見かけた嵩上工事の表示板
気仙沼市内で見かけた嵩上工事の表示板

 陸電の管理運営を気仙沼市から受託している「気仙沼鉄工機械協同組合」の三浦哲男事務局長は、村井嘉浩知事の発表に触れて、「私は昨年末、50世帯規模の小さな仮設住宅を出て、今の自宅に引っ越すことができた。仮設住宅では自治会長をやらせていただいていたが、30世帯ほどの入居者を残して先に出てしまう形になってしまって申し訳ない気持ち。陸電の本設置が契機になって、より多くの利用を見込んでいる。さらには一刻も早く、11基すべてを稼働させ、漁船整備機能と水産基地機能を震災前までと同じレベルに回復させたい。造船関連業と水産業の両輪で気仙沼の本格的な復興に繋げたい。雇用が生まれれば地域経済は活性化し、仮設で暮らす人も職に就くことができ、生きる意欲につながる」と思いを語った。

同組合の三浦事務局長
同組合の三浦事務局長

 そのうえで、「東京オリンピックの開催が決まってメディアが盛り上がっているが、被災地の復興はまだまだこれからも続く。記憶を風化させないで欲しい」とも述べた。(山口領)

陸電の「未来の気仙沼の海」をテーマとするデザインは地元の小中学生によるもの
陸電の「未来の気仙沼の海」をテーマとするデザインは
地元の小中学生によるもの





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