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2014年03月27日(Thu)
森里海連環学、京大で初の修了式/「同窓会」の立ち上げも
 京都大学と日本財団の共同事業として昨年春にスタートした「森里海連環学教育プログラム」の修了式が3月24日、京大北部キャンパスで行われ、26人に修了証が授与された。海外留学生の関心も高く、4月に新たな履修生を募集するほか、修了生のネットワークとして「同窓会」を立ち上げ、森里海連環学の幅広い普及を目指す。

修了生ら関係者全員で記念撮影
修了生ら関係者全員で記念撮影
 森里海連環学は森、里、海のつながりを総合的に研究し、国土の再生を目指す新しい学問。京大の農学研究科など3つの大学院とフィールド科学教育研究センターが連携して全大学院生対象の教育ユニットを用意、初年度は75人が履修し26人が所定の14単位以上を修得した。

修了証が一人ひとりに手渡された
修了証が一人ひとりに手渡された

 講義はすべて英語で行われ、履修者の約3割は海外からの留学生。日本人学生が国際学会などに出席する際の支援制度、海外からの留学生に対する奨学制度も用意され、今回、修了証を受け取った海外留学生9人のうちの一人で、13年度の奨学生にも選ばれたマダガスカルのステファン・オリバーさんは「興味ある学問。もっともっと学びたい」と笑顔を見せた。14年度の奨学生には中国からの女子留学生・蘇心怡さんが選ばれた。

授与された修了証
授与された修了証

 授与式で森里海連環学教育ユニット長の山下洋教授は1970年代、大量の工場排水や都市排水で“死の海”と化した瀬戸内海が40年後、ようやく蘇った事実を取り上げ、「森里海連環学は生まれたばかりの学問。今回のプログラムはそのイントロに過ぎない。発展させるのは皆さんだ」と激励。日本財団海洋グループの荻上健太郎チームリーダーも「修了証は新しいチャレンジのスタート。新たなステップに進んでほしい」と述べた。

修了式前日には滋賀県近江八幡市でフィールドワークも行われた
修了式前日には滋賀県近江八幡市でフィールドワークも行われた

 4月から新年度の履修者の募集が始まるが、事務局では所定の単位に満たなかった約50人を含め、新年度の受講者は130人前後に上ると見ている。

 森里海連環学は国際的にも注目され、昨年、京大で開催された国際シンポジウムには18カ国から188人の研究者が参加した。1年目は講義が中心だったが、教育ユニットの横山寿准教授は「新しい学問で、まだまだ実証例が少ない。今後はフィールドワークも充実させていきたい」と語っている。(宮崎正)
カテゴリ:海洋





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