大賞は「ゆいごんに風邪ひくなよと書き足した」。“風邪ひくなよ”の一言が遺された人たちへの心ある遺言として評価された。さらに入選3作品、佳作6作品のほか、4作品が事業を後援する三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行などの特別賞に選ばれ、それぞれに賞金が贈られた。
近年、幅広く活用されているAI(人工知能)に親の「愛」を重ねた作品や、受賞を逃したものの「総金歯 遺産の時価が爆上がり」、「熊の棲む山が遺産と言われても」など、金価格の異常な高騰や全国で被害が相次いだクマを題材に取り込んだ作品も目についた。
全日本川柳協会の江畑哲夫副理事長ら10人による第1次審査、遺贈寄付サポートチームや日本財団役職員による第2、第3次審査を経て残った64作品について歌人の田中章義氏ら10人が最終審査を行い受賞作を決めた。
近年、相続人がいないために国庫に帰属する遺産は増加傾向にある。日本財団が2025年2月に全国の60歳〜79歳の男女2,000人を対象に行った「遺言・遺贈に関する意識・実態把握調査」では、過半の人が遺言書で「社会貢献団体などへ寄付」、「家族以外の人へ財産を託す(遺贈する)」ことができることを知っていた。
その上で、遺贈の意向がある人や寄付に興味がある人は全体の約4分の1(23.1%)に上っていた。こうした風潮を受け、遺贈寄付に取り組む団体も国際協力から子ども支援、環境保護、動物保護、被災者支援、貧困支援などに広がりを見せている。
日本財団の遺贈寄付サポートセンターにも昨年、6件3億3000万円の遺贈寄付、3件2400万円の相続寄付のほか、遺贈寄付に向けた遺言書作成も86件寄せられ、遺贈寄付の遺言書は全体で400件を超えている。
遺贈寄付は高齢化時代、災害多発時代の共助の精神の支えともなり、日本財団では新年も各地で関連セミナーを開催し、協力の輪を広げる考えだ。
第10 回ゆいごん川柳受賞作品