メダルは多数の研究所関係者らが見守る中、ピーター・メノカル所長から授与され、筆者は未来志向のメダルに感謝を述べるとともに「人類は母なる海を守るため500年、1000年という長期的視座に立って一致団結する必要がある」と訴えた。
WHOIは1930年にマサチューセッツ州に設置された非営利の独立海洋学研究機関で、基礎分野から応用海洋学まで海に関する幅広い研究に取り組んでいる。
2030年に創立100周年(センテニアル)を迎えるのを記念して、海洋の保護や理解の向上に優れた貢献をした個人・団体に対する表彰制度をスタートさせ、6月に初のメダルがモナコ公国のアルベール2世大公に授与された。
日本財団は前身の日本船舶振興会の時代から半世紀以上にわたって、海洋問題に対処する人材を世界185カ国で2000人近く育成するなど海を取り巻く問題に幅広く取り組んできた。
この一環として16年には、30年を目標に全地球の海底地形図の完成を目指す「Seabed 2030プロジェクト」をGEBCO (大洋水深総図)指導委員会や国際水路機関などと共同で立ち上げ、初年度6%に過ぎなかった海底地形図の作成は23年時点で約25%まで進んでいる。
23年4月には、世界の海で未知の海洋生物を発見するプロジェクト「オーシャン・センサス(Ocean Census)」を海洋保全に向け海洋探査に取り組んでいる英国のNekton財団と協力してスタートした。海には200万種以上もの生物が生息しているといわれるが、把握されているのは全体の10%程度。これまで知られていなかった海洋生物の発見が相次いでいる。
このほか、70〜80%が陸から流れ込む海洋ゴミの防止に向け、ゴミ拾いをスポーツ化し、現在世界から30カ国以上が参加する「スポGOMI世界大会」の取り組みや、来年6月に日本で開催を予定する世界島嶼国会議の取り組みなどを報告した。
人類の歴史はこれまで陸中心に進んできた。このまま海の劣化が進めば、やがて人類の生存にも関わる。そんな危機意識を持って授与式では、これからも人類共通の財産である海の保全に向け全力で取り組む決意を述べた。
ウッズホール海洋研究所にてメダル授賞