• もっと見る

前の記事 «  トップページ  » 次の記事
2025年11月18日(Tue)
33カ国が参加して第2回スポGOMI世界大会
前回より12カ国増 世界への一層の拡大に期待
日本財団特別顧問 宮崎 正
風の香りロゴ
2回目となる「スポGOMI」ワールドカップの決勝戦が10月29日、世界33カ国の代表が参加して東京・渋谷区内で開催された。08年に日本で発祥し、スポーツ感覚で海洋ゴミの削減を目指すこの競技、参加国は初開催の前回2023年から12カ国増えた。27年の次回大会に向け、一層の広がりを期待する。
20251118_kaze.jpg
競技を終え上位3チーム(日本、ドイツ、モロッコ)が壇上で祝福を受けた


海洋ゴミに関しては16年に開催されたダボス会議(世界経済フォーラム)で、「このまま推移すると50年には海洋を漂うプラスチックごみの重量が魚の量を上回る」という衝撃的な報告が出され、その後も年々、増加している。温暖化の進行に伴い急増する山火事や豪雨災害、海水温上昇なども合わせ、地球環境は極めて深刻な状況にある。

気候変動枠組条約(1992年策定)やパリ協定(2015年採択)は、「気温上昇を産業革命以前に比べ1.5度C以下に抑える」として、締約国に二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの削減を求めている。しかし国連環境計画(UNEP)がこのほど発表した「排出ギャップ報告書」によると、世界の温室効果ガス排出量はその後も増加傾向にあり、昨年は過去最高を記録した。

このままでは地球環境はますます悪化し、やがて人類の生存にも影響しかねない。国や企業だけでなく、国民一人一人が、何ができるか考え、可能な取り組みに積極的に参加する必要がある。

一方で海の劣化を招いている海洋ゴミの70〜80%は陸から流れ込んでおり、ゴミ拾いに参加することで誰でも環境改善に貢献できる―。「スポGOMI」はこんな発想でスタートした。しかも「ゴミ拾いに参加した人は、以後、ごみを捨てなくなる」という心強いデータもある。

大会は「日本財団スポGOMIワールドカップ2025FINAL」と名付けられ、日本財団スポGOMI連盟(玉澤正徳代表理事)が環境省、スポーツ庁、地元渋谷区の後援を受けて実施した。3人1組の各チームが前後半計90分間に指定されたエリアでゴミを拾い、その量や種類に応じてポイントを争う。

メーン会場は前回と同じ東京・渋谷区の国際連合大学。開会式では人気キャラクターに扮したコスプレイヤーの先導で中国や韓国、ナミビアなど初参加の14カ国を含め計33カ国代表が入場、前回優勝のイギリスチームから優勝カップが返還された。

この後、指定された大学から半径約1.5qのエリアで各チームがポリ袋とゴミトングを手に道路わきや路地裏のゴミを拾い、74.8sを回収した日本代表の「スマイルストーリー」(新潟県)が優勝した。2年前に開催された第1回大会の準優勝チームで、毎月のように地元で清掃活動を続けているという。「競技をやりきるのはきつかったが、ルールも面白く、まさにスポーツだと感じた」と喜びを語った。

スポGOMI連盟によると、33チームがこの日、回収したゴミは計880s。渡航上の理由で決勝戦参加を見送ったパキスタンを含め世界34カ国で計2834チームが参加した予選会では、計22トンに上るゴミが回収された。競技が世界に広がれば、その分、海洋ゴミも減る。そうした実利的な側面もさることながら、世界が直面する環境問題を前に進めるには、こうした市民レベルの幅広い取り組みを広げ社会や政治を動かしていくしかない気がする。

玉澤代表理事によると、世界大会開催について海外からも打診が来ているという。開催費用など運営面も含め難問は多いが、「スポGOMI」を世界に広げていくためにも、公的な支援を含め息の長い取り組みが必要と考える。








 手薄な「大災害への備え」 日本型モデルの確立が急務  « トップページ  »  連立に必要な意思疎通と責任感