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2025年07月02日(Wed)
【View Finder】WHO笹川健康賞、デンマークの精神科医に/自殺増加を受け初のメンタルヘルス分野に
(BOAT RACE Monthly Report 2025年7月号掲載)
日本財団名誉会長 笹川 陽平

画像:View Finder ロゴWHO(世界保健機関)の笹川健康賞に41回目の今年はデンマークの精神科医メレーテ・ノールデントフト博士が選ばれ、5月23日にスイス・ジュネーブで開かれたWHO総会で賞金3万ドル(約450万円)と記念のトロフィーが贈られた。

賞は1984 年、日本船舶振興会(当時)会長だった亡父笹川良一の提唱を受け、当時、WHOの事務局長だったハーフダン・マーラー氏(同)が賛同して設立された。毎年、世界の人々の健康増進に功績があった個人、または団体を顕彰し、これまでに37人29団体が受賞している。

もともと賞は、1978年にカザフスタンのアルマ・アタで開催された国際会議で採択されたアルマ・アタ宣言を基にスタートしている。宣言はすべての人に対するプライマリーヘルスケア(PHC)の保証を打ち出し、過去40年間の受賞者は身体的健康分野で功績があったアジアやアフリカ、中南米の関係者が多かった。

しかし近年は、世界で年間に80万人にも上る人が自殺で命を失い、日本でも2020年の15〜19歳の死因の約半数を自殺が占めるなど、身体的健康とは別に、精神的・社会的な健康問題が深刻化している。

そうした中で長年にわたり、精神疾患への早期介入、特に若年層の自殺予防に大きな成果を挙げてきたノールデントフト博士がメンタルヘルス分野で初の受賞者となった。症状が初めて出た若い精神病患者の入院率を家族や地域の人々の参加で低下させ、生活の向上を目指す実践的な取り組みが特徴で、デンマークの自殺予防だけでなく各国の治療モデルにも大きな影響を与えている。

授賞式では「賞は精神症を抱える若者たち、その家族、支援に携わるすべての人々への励まし。早期の適切な支援があれば回復は十分可能であるという希望のメッセージです」と喜びを語った。

 自殺防止は「誰一人取り残さない」よりよい社会の実現を目指す国連のSDGs(持続可能な開発目標)にも盛り込まれ、WHOも「多くが防ぐことのできる社会的問題」として、すべての国に自殺防止に向けた積極的な行動を求める「LIVE LIFE」戦略を打ち出している。

自殺予防には早期に発見して手を打つ取り組みが何よりも必要。授賞式には筆者も出席し、「博士の業績が世界各国の健康な社会の実現に向けた礎になるよう願っています」とお祝いを述べた。


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左から、第78回世界保健総会議長テオドロ・J・ヘルボサ博士、受賞者のメレーテ・ノールデントフト博士、テドロス・アダノム・ゲブレイェススWHO事務局長、筆者(写真提供:WHO)








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