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2024年11月01日(Fri)
【View Finder】オランウータンの森再生に向けて/10万本の植樹計画スタート
(BOAT RACE Monthly Report 2024年11月号掲載)
日本財団会長 笹川 陽平

画像:View Finder ロゴインドネシア、マレーシア、ブルネイ3カ国が領有するボルネオ島(カリマンタン島)とインドネシアのスマトラ島だけに生息し、「森の住民」とも呼称される大型類人猿オランウータンの個体数が大幅に減り、絶滅の可能性が高い「近絶滅種」に指定されるところまできている。

菓子やインスタント食品、洗剤や化粧品など幅広い用途に使われるパーム油(植物油脂)の需要増で、原料となるアブラヤシの農園が急速に増え、オランウータンなど多様な生物の命を育む熱帯雨林が最盛期の3分の1近くまで減っているのが一番の原因だ。

オランウータンはかつて東南アジアの島々を含めインドシナ半島全域に広く生息していたが、現在の推定生息数はカリマンタン島が4〜7万頭、スマトラ島が約7千頭。最盛期の約20%に減少している。

近年、地球温暖化に伴って世界各地で多発する森林火災も野生動物の生息環境を悪化させている。世界資源研究所(WRI)によると、年間に焼失する面積はこの20年間で2倍に増え、2021年は世界で北海道より広い約9万3千平方キロメートルが焼失した。

19年から翌年にかけオーストラリアで発生した大規模な森林火災では4万頭のコアラが死亡したと伝えられ、カリマンタン島でも15年にオランウータンやテングザルなどが生息する2万6千平方キロメートル、東京都の10倍を超す熱帯林が被災している。

そんな中、日本財団ボランティアセンター(日本財団ボラセン)はこのほど、現地で植林活動に取り組む日本マレーシア協会(小川孝一理事長)の協力を得て毎年1万本、10年で10万本の植樹を目指す「オランウータンの森再生プロジェクト」をスタートした。

1グループ13人の学生ボランティアが9月までに計4回にわたってインドネシアとマレーシアの国境近くに位置するグヌン・アペン国立公園内で、マンゴーやドリアンなどの苗木それぞれ2500本、計1万本の植樹を終えた。

たまたまマレーシアを訪問していた筆者は、第4陣が活動していた9月2日、現地を訪問、ボランティアの学生たちと話す機会があった。10倍を超す応募者から選ばれたそうで、半数は初めての海外体験。「金銭面が解決できれば、もっと海外体験をしたい」と語った。

日本財団ボラセンは2010年、NPO法人日本学生ボランティアセンターとして設立され、22年に日本財団ボラセンに衣替えした。現在、約3万7千人、110の大学が登録し、被災地の復興支援や海ごみの清掃、スポーツボランティアなど幅広い活動を行っている。

近年、若者の内向き志向を指摘する声が目立つ。次代を担う人材を育てるためにも、一人でも多くの若者に海外を含め多彩な体験をしてほしいと思う。そのためにも、ささやかな試みであってもボラセン活動を一層強化したい。屈託のない学生たちの笑顔を見ながら、そんな思いを強くした。

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「オランウータンの森 再生プロジェクト」で植林活動を行う学生ボランティア達とともに(筆者 = 写真前列中央)








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