長く障がい者に寄り添ってきた日本財団がパラアスリート支援に乗り出し、日本財団パラリンピックサポートセンター(通称パラサポ、現日本財団パラスポーツサポートセンター)を創設して来年で10周年を迎える。「史上最高」と称賛された2012年のロンドンパラリンピックをみているうち「これからはパラリンピックの成功なくしてオリンピックの成功はない」と支援を決断。当時の日本のパラ競技が自宅を事務局に夫婦ふたりで支えるような組織も少なくなかったことから、日本財団ビルの4階にパラサポを開設しワンオフィスの事務局を置き、強化に専念いただけるよう環境を整えた。
競技面ではお台場の船の科学館所有地に専用体育館パラアリーナを設け、学校教育を通した理解促進にも努めている。アスリートを支えるボランティアを養成する日本財団ボランティアサポートセンターや文化芸術の分野でも障がい者芸術を支援してきた経験を活かして日本財団DIVERSITY IN THE ARTSも創設、東京大会に一役かったと自負している。
パラサポ、パラアリーナは東京大会後の解散を予定していたが、関係者の熱い要望、時代の流れを考え、名称を変更し恒常的な組織に変えた。東京以降、障がいや障がいのある方の行動などへの理解、共感が少しは進んだとしたら、スポーツの持つ影響力を糧に普及、啓発に邁進してきた成果にほかならない。
来年11月、東京でデフリンピックが開催される。耳の聞こえない、聞こえにくいアスリートが4年に一度競う国際大会である。障がいのかたちは目に見えてわかるものだけではない。耳の障がいもそのひとつ。日本財団では手話の普及に努めているが、日本初開催を起点にデフリンピックへの理解も含めて、啓発を続けていかなければならない。
障がいは社会がつくりだしたものである。障がいがあることは不幸ではなく、不便さだと聞く。その不便さを取り除くことがバリアフリーであり、こころの壁を突き崩すことがその一歩である。「みんなが、みんなを支える」共生社会の実現に向け、さらに歩みを進めたい。
日本財団パラアリーナ(写真提供:日本財団パラスポーツサポートセンター)