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2024年11月05日(Tue)
対立・分断進む米大統領選
18歳意識調査 若者に戸惑い
混迷する政治の立て直しが急務
日本財団特別顧問 宮崎 正
風の香りロゴ
現在の日米関係を「良好」とみる声は半数弱、他国から攻撃・侵略されたとき「米軍が守ってくれる」とする回答も約3割にとどまったー。11月5日に投開票が行われる米大統領選をテーマに日本財団が行った「18歳意識調査」の結果だ。
当の大統領選は最後まで民主党・ハリス、共和党・トランプ両候補の熱戦が続き、政策論争に程遠い個人攻撃や非難合戦で米国社会の対立と分断が一段と深まる展開となっている。

調査は10月19、20の両日、全国の17〜19歳1000人を対象にインターネットで行われ、11月に大統領選が行われることを知っていたのは40%。女性は28%と低かった。

まずバイデン政権下における日米関係の印象。「良好だった」は「どちらかといえば」を含め47%、逆に「よくなかった」は14%、3人に一人(36%)が「わからない」と答えた。

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バイデン政権下における日米関係(日本財団18歳意識調査 第66回「アメリカ大統領選/国家安全保障」より)

大統領交代に伴う日米関係への影響に関しては「良い変化があると思う」(26%)、「変化はないと思う」(19%)、「悪い変化があると思う」(17%)と意見が分かれた。最後まで接戦が続き予測が難しい大統領選を反映してか、ここでも「わからない」が35%に上っている。

日米関係の重要な取り組みとしては、「北朝鮮問題への共同対応」、「日本国内の米軍基地問題の解決」、「日米間の経済協力の拡大」がいずれも3割前後(重複回答)で上位を占めた。核武装化を進める北朝鮮に対する警戒感、最近、沖縄県で相次いだ女性暴行事件が背景にある。

日本国内の米軍基地に対するイメージ(重複回答)としては、「米軍人らによる事件・事故が多く危険」、「騒音や環境汚染などの悪影響」を指摘する声が1、2位を占め、「他国から日本が攻撃・侵略された時に米軍が守ってくれる」は全体3位、31%だった。

日本国内の米軍の存在が「アジアの平和と安全に役立っている」、米軍基地があることで「他国が日本に攻めてくることを諦める」はともに18%、逆に「他国の攻撃目標となって危険」との指摘も13%あった。

このほか、近年、常態化している自衛隊の定員割れに関しては「災害対応力の低下」、「国防力の低下」を懸念する声がそれぞれ52%、41%に上り、政府が打ち出している防衛費の増額に関しては賛成が32%、反対が37%と意見が割れている。

選挙ではトランプ候補が「米国第一主義」を一層、鮮明にしており、国際社会に警戒感が広がっている。ハリス氏が勝利した場合も深刻な国内の対立と分断を修復するのは難しく、米国の国際社会への影響力低下は避けられない。

これに対し先の総選挙で与党(自民・公明)が大敗したわが国は、今月11日に召集される特別国会で首班指名選挙が行われるが、いまだ形が見えず政治の混迷は今後も続く。

それでは揺れ動く国際社会に対応するのは難しい。その意味でも一日も早い政治の安定が急務―。今回の調査結果を見るまでもなく、そんな思いを強くする。

関連リンク:
日本財団18歳意識調査結果 第66回「アメリカ大統領選/国家安全保障」








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