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2023年11月07日(Tue)
若者は自身の将来をどう見ているか
6割が老後の「生活不安」訴え
「年金制度の維持は難しい」7割を超す
日本財団特別顧問 宮崎 正
風の香りロゴ
最近、若者の「無気力」を指摘する調査結果や言葉をしばしば耳にする。若者といっても1990年代後半から2012年生あたりに生まれたZ世代とその前に生まれたミレニアル世代では違うだろうし、長く外出が制限された新型コロナウイルス禍などの影響もあろう。「無気力」とか「消極的」といった評価は当たらないと思う。

しかし、混迷が続く国際社会や急速に進む少子高齢化、国債と借入金などを合わせた国の借金残高が1270兆円とGDP(国内総生産)の2倍を超す深刻な財政状況などを前にすると、老後の生活を支えるべき年金制度一つをとっても、若者が明るい展望を持つのは難しい気がする。

そんな中、日本財団が10月、「社会保障」をテーマに行った18歳意識調査では、自身が高齢になった時の経済状況について、回答を寄せた17〜19歳1000人のうち6割以上(63%)が“少し”あるいは“とても”「不安がある」と回答。「不安はない」と答えたのは10人に1人(10.4%)に留まった。

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自身が高齢者になったときの年金制度の状況(日本財団18歳意識調査 第58回「社会保障」より)


高齢になった際に頼りにする“資金源”は男女とも「預金」がトップ。男性34.2%、女性37.9%と高い数字で、こんな点にも若者の消費が伸びない一因をうかがわせている。

2位につけた公的年金に対する期待は3割弱(28.5%)に留まり、高齢になった時の年金制度の姿について、全体の7割強(74.5%)、女性に限ると約8割(79.2%)が「維持が難しくなっていると思う」、あるいは「維持できず破綻していると思う」と悲観的な見方をしている。

その上で将来、受け取る年金額について全体の7割弱は、「今後、支払う年金保険料より少なくなる」と予測。「年金だけで概ね生活できると思う」と答えはわずか3.8%に留まり、現行の公的年金制度の「改革の必要性」を指摘する声は6割を超えている。

わが国の公的年金は、年金支給に必要な財源を現役世代(20〜64歳)からの保険料収入で賄う賦課方式。現役時代に積み立てた保険料を老後に切り崩しながら受け取る積立方式と違い、インフレや給与水準の上昇の影響が少ない利点を持つとされ、「国民皆年金」の名の下、現役世代すべてに加入を義務付けている。

しかし、65歳以上の高齢者1人を支える現役世代の数は半世紀前の9人から昨年は2人、30年後は1.2人と厳しさを増し、厚生労働省の資料によると、国民年金保険料の未納者は21年度100万人を超えている。

少子高齢化の進行で医療、福祉を含めた社会保障費は今後ますます膨らむ。調査では3人に2人が、「政治や国会の議論に若い世代の意見が反映されていない」としている。財源をどうするのか。残念ながら政治・国会の議論は未だ本気度を欠いている気がする。


関連リンク:
日本財団18歳意識調査結果 第58回テーマ「社会保障」








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