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2021年06月24日(Thu)
コロナ禍で増える“声の不調”
会話の機会減り声帯筋肉に衰え
日本財団特別顧問 宮崎 正
風の香りロゴ
パンデミック(世界的大流行)となった新型コロナウイルス感染に伴う外出自粛やリモートワークの増加で運動が不足し、腕や足の筋力の衰えを実感している人は多いと思う。しかし、声帯の筋肉(声帯筋)が衰え声の不調を訴える人が増えている現実は意外と知られていないのではないか。意識しないまま症状が進行しているケースも多い気がする。

自身も昨年秋ごろから声嗄れというか、声がうまく出ない症状が続き、5月、神奈川県内の私立大学病院と東京都内の国立病院で検査や治療を受けた。両病院とも“声の異変”を訴え耳鼻咽喉科の音声外来を訪れる人はかなり増えているという。

その際の説明や資料によると、声帯はのど仏の奥にあり、肺につながる気管を防ぐように左右一対で声門を構成している。声門は呼吸している間は開き、発声の際は閉じて肺から出てきた息(呼気)の振動で声を出す。声帯にも筋肉と同じ筋層があり、周りにある筋肉がこれを動かす。

声を出す機会が減ると声帯は衰えて萎縮し、嗄声(させい)と呼ばれる「かすれ声」や「ガラガラ声」が増え、時に声が出ない症状が現れるのだという。声帯筋の劣化は他の筋肉と同様、加齢によって進むケースが多く、現役を退き、声を出す機会が急に減ったサラリーマンOBなどによくみられる症状だそうだ。

今回違うのは、コロナ禍という特殊な環境下で同様の症状が増えている点。不要不急の外出自粛やリモートワークの増加で人と会う機会が減り、飲食店やカラオケ店は営業を自粛、たまに外出すると電車の車内放送が会話を控えるよう求め、発声の機会は大幅に減っている。声帯の萎縮が進むと、飲み込んだ飲食物が気道に入った際、咳などをして外に出す誤嚥防止機能が低下し、肺炎につながる危険性もあるという。

コロナ禍では体力の低下のほか、肥満や糖尿病、高血圧など生活習慣病、ストレスによるアルコール依存症の増加など様々な影響が報じられている。Webを検索すると、声帯の劣化に関しても、多くの専門家が「声を出す機会が減ることで、声帯の筋肉の衰えは驚くほど速く進む」と警告している。

早晩、コロナ禍の悪影響の一つとして、まとまった統計数字が出てくると思うが、未だ感染拡大の収束は見えていない。最終的にどのような数字が出てくるか、注目したいと思う。
タグ:日本財団 風の香り
カテゴリ:健康・福祉







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