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2019年12月13日(Fri)
今年も華やかに「HEROs AWARD」
日本財団が促進するアスリートによる社会貢献プロジェクト「HEROs」の表彰式「HEROs AWARD2019」が先ごろ、東京・六本木のグランドハイアット東京で華やかに行われた。

105人のアスリートを含む、224人の出席者は、男性がブラックタイ、女性もドレスや着物で参加し、いかにも受賞式にふさわしい雰囲気のなかで始まった。

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競技を超えて集うアスリート達

輪を日本中に、日本から世界に…

冒頭、主催者を代表して日本財団の笹川陽平会長がアスリートの社会貢献の輪の広がりに触れてあいさつ。さらなる活動の拡大に期待を寄せた。

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主催者を代表し、挨拶する日本財団笹川会長

「サッカーの中田ヒデ(英寿)さんが、『アスリートの力は世界を変えられるよ』と言ってきて(HEROsを)始めた。3回目で新たな仲間がたくさんきてくれた。われわれはよりよい日本、よりよい未来、子どもたちのための社会を創っていきたいと行動している。スポーツは皆さんが思っている以上に大きな力をもっている。日本財団はできる限りのお手伝いをしていく。輪を日本中に、日本から世界に広めていこうじゃありませんか」

AWARDは2017年に創設され、社会や地域、子供たちの未来に目をむけて顕著な活動を続けるアスリートやチーム・リーグ、NPO法人を選び、ロールモデルとして表彰している。3回目の今年は2人のアスリートと3つの団体が社会課題解決への取り組みを評価されて受賞した。


【HEROs AWARD 受賞者】

●アスリート部門
 巻 誠一郎氏:Your Action Kumamoto(熊本大地震での活動)

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トロフィーを手にする巻選手

 井本直歩子氏:紛争・災害下の子どもの教育支援

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きれいなドレス姿の井本選手

●チーム・リーグ部門
 一般社団法人 日本障がい者サッカー協会(JIFF):サッカーを通じた共生社会づくり

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活動に関わる全ての人に感謝し、喜びのコメントを語る北澤選手

●NPO法人部門
 一般社団法人 Sports For Smail(SFS):スポーツメンタリング

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NPO法人部門にて受賞した梶川氏

●特別賞
 認定NPO法人 柔道教育ソリダリティー:柔道で育む国際友好プロジェクト

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ドンペリニヨンからのギフトを手にする山下氏

審査委員長を務めた早稲田大学の間野義之教授は選考について講評、「今こそスポーツの時代だ」と力を込めた。

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審査委員長の間野氏

「6月から審査し、まず一次審査を行い、3つの観点から評価した。1つはスポーツによる社会課題解決。単にスポーツを教え、振興することではない。2つめがスポーツの力を存分に生かし切れているか、どうか。そして3つめは取り組まれている人の熱意と意思、そして継続する力がどれだけあるか。4つの個人、組織はそれぞれ被災地復興、紛争地、障がい者、DV(家庭内暴力)といった日本が抱えている大事な課題の解決に向けてスポーツを通して貢献されている。今こそスポーツの時代ではないか。アスリートが他人事ではなく、自分ごととして活躍していくいい機会になると思う」


サッカーなら垣根を越えていける

その間野委員長を中心に受賞式開幕15分前まで激論が交わされた最優秀賞にあたる「HEROs OF THE YEAR」には、サッカーを通した共生社会の実現に取り組むJIFFが選ばれた。

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障がい者と健常者とが混在チームでサッカーを楽しむ北澤氏

JIFFは2016年、それまで障がいのカテゴリーによってばらばらに活動していた7つの障がい者サッカー団体を一本化して組織された。日本サッカー協会(JFA)とも連携して組織基盤を強化し、認知度も低く限定的だった事業を拡大、障がい者と健常者とが混在するスポーツ環境の改善に取り組んでいる姿勢が評価された。

JIFF会長で元サッカー日本代表の北澤豪さんは驚きとともに、「スポーツ選手は憧れる存在であり、強いことや早いことも大事だが、加えて社会にフィードバックできる何かを持ち、その好循環を創っていくこと」の大切さを語った。

北澤さんはまた、「サッカーなら障がい者と健常者の垣根も乗り越えていける。一緒のフィールドでプレするのでいろいろなコミュニケーションのやり方を発見することが共生社会の第一歩」と述べた。共生社会実現へのきっかけづくりは2020年東京大会が掲げる大きな目標のひとつ。JIFFの活動はその先駆けとなっている。

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喜びの挨拶をする北澤氏

このJIFFの受賞について、審査員のひとりは「審査がたいへんだった。あと15分あったら、また受賞者が変わっていたかもしれない」と述べ、激戦だったことを示した。3年の時を経て、アスリートの意識の高まりを示しているといえるかもしれない。


アスリートが発信するスポーツの力

受賞者からは、「HEROs」にさまざまな期待と感謝の声が聞かれた。

熊本大震災からの復旧・復興に努めた巻誠一郎さんは、現在も支援のために創設したNPO法人「ユアアクション」を基盤に活動を続けている。「本当のヒーローは前に向いて進んでいる地域の人たち。でもアスリートの持っている力、スポーツの力は大きい。未来のためにこの賞を誇りに思う」と語った。

1996年アトランタ五輪の競泳に出場した井本直歩子さんは2003年から国連児童基金(ユニセフ)の教育支援担当として紛争地域、被災地で子どもたちに早く教育を届ける緊急支援活動を続けている。2009年ニューズウィーク誌「世界を変える100人」にも選ばれた。「国際大会で途上国から来た選手の実情を知るにつけ、自分たちが恵まれていると感じていた。選手のキャリアを終えたら厳しい環境下にいる人たちのために働きたいと考えた」。アスリートなら感じる国や地域による格差を知ったことが活動のきっかけになったと話した。

SFSスポーツメンタリング運営チームの代表理事、梶川三枝さんは「スポーツから最も遠いところにいる人々にスポーツを届ける活動が賞をいただいて感謝している」。スポーツには心を開く力があることの証明である。

特別賞の「認定NPO法人 柔道教育ソリダリティー」は今年6月で解散した。この団体は全日本柔道連盟会長で、今年6月に日本オリンピック委員会会長に就任した山下泰裕さんが提唱して活動が始まった。その山下さんはいう。「今後は違った形、全日本柔道連盟、日本オリンピック委員会を通して活動をつづけていきたい。スポーツが社会に対して何ができるか、スポーツ界が立ち上がれば共生の仕組みができる」

山下さんは会場のアスリートに向かい、「未来は皆さんにかかっている」と呼びかけた。
社会貢献の輪を広げていく、それもまたスポーツの力である。










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