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2019年01月24日(Thu)
笹川日本財団会長にガンジー平和賞
世界で19番目、日本人では初受賞
ハンセン病制圧に向けた活動を評価


ハンセン病の回復者が暮らす村を訪問。一人一人に声をかける笹川陽平

ハンセン病の回復者が暮らす村を訪問。一人一人に声をかける笹川陽平



インド政府は1月24日までにWHO(世界保健機関)のハンセン病制圧大使を務める笹川陽平・日本財団会長に「ガンジー平和賞」を贈ることを決めた。ガンジー平和賞は1995年、ガンジー生誕125周年を記念して創設された。国際平和に貢献した個人・団体に贈られ、南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領らが受賞している。笹川会長は19番目、日本人では初の受賞で、インド政府から1000万インドルピー(約1500万円)が贈られる。

今回の受賞はインドのモディ首相や最高裁判所長官、下院議院議長らで構成する委員会で決定され、2月18日にインド政府から日本財団に連絡があった。過去40年間にわたるハンセン病の制圧と患者・回復者に対する偏見・差別の撤廃に向けた幅広い活動が評価された。
追って授与式が行われる。

「不治の病」とされたハンセン病は、1980年代初頭に多剤併用療法(MDT)と呼ばれる治療薬の開発で「治る病気」となった。一時期、1000万人を超え、世界の患者の過半を占めるとされたインドのハンセン病患者は、政府の努力や日本財団によるMDTの無償配布などを通じ多くが回復。2005年にはWHOがハンセン病制圧の基準とする「人口1万人当たり患者1人未満」を達成した。しかし現在も、世界で年間に発生する新規患者約20万人のうち約60%を占め、患者や回復者に対する深刻な偏見や差別も続いている。

笹川会長は毎年のようにインドを訪問、回復者や家族が暮らすコロニーを訪ね激励する一方、笹川インド・ハンセン病財団を設立、患者・回復者やその家族の尊厳・人権の回復や生活改善を目指し、インド政府にも対策の強化を働き掛けるなど幅広い活動を続けてきた。

今年はインド社会の最下層に置かれたハンセン病患者の境遇改善を目指したガンジーの生誕150年。笹川会長は「名誉ある賞は、多くの皆様とともに患者・回復者の自立支援に取り組んできた成果がインド政府に認められたと考えています。共に活動してくださっているすべての皆様にお礼申し上げます」と語っている。







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