2018年06月08日(Fri)
東京おもちゃ美術館が「スマイルデー」
「難病と闘う子どもたちにも、おもちゃ遊びを通して、広い世界を感じてもらいたい」「在宅での医療ケアに日夜奮闘している家族にも、ほっとする時間を過ごしてほしい」。そんな思いで2016年末から始めたのが、休館日を活用した貸し切りイベント「スマイルデー」。開催5回目となる今回は、遠くは神奈川、埼玉両県や都内八王子市などから40組の親子が参加した。
四谷ひろば内にある東京おもちゃ美術館は、触れて遊べる体験型のミュージアム。旧四谷第四小学校の校舎を利用し、国産の木材だけで作った「おもちゃのもり」、赤ちゃんが木の匂いや触り心地をふんだんに感じられる「赤ちゃん木育ひろば」、手作りおもちゃを作ることができる「おもちゃ工房」。さらに世界中のアナログゲームが大集合した「ゲームのへや」、けん玉やこま、お手玉など日本の伝統的なおもちゃで遊べる「おもちゃのまち あか」、ひらめきと発見満載の「おもちゃのまち きいろ」、「グッド・トイ展示室」など、子どもだけでなく大人も赤ちゃんも多世代で、おもちゃの世界を楽しむことができる。 赤いエプロンをつけた「おもちゃ学芸員」はボランティアで、あそびの案内、子どもとの心の交流、安全への見守りなどを行っている。人気のスポットで、年間約15万人が訪れるという。木曜日休館(2月と9月に特別休館日あり)。 スマイルデーの当日は10種類の特別プログラムを組み、うちスタイリストの協力によるヘアカットサービスは今回が初の試みだった。予約制を知らなかったお母さんは「次回も来てください。お願いします」と早速、スタイリストに要望していた。赤ちゃん木育ひろばでは「赤ちゃんは口に入れるのが仕事。口に入れちゃ駄目よ、じゃなくて、口に入れていいのよ、と言っている。ここには口に入れていいものしか置いていません」と、おもちゃ学芸員。 「芸術と遊び創造協会」子育て支援事業部部長の石井今日子さん(東京おもちゃ美術館副館長)は「ある時、気管切開をされた子どもと家族が来られたが、土曜日であまりにも混んでいて、ゆっくり遊ぶことができず15分ぐらいで、お帰りになった。私、大変ショックで、なんとか、いつか、この人たちに、ゆっくり来てもらえる日をつくらねばと思った。それがきっかけで約1年後、スマイルデーの開催にこぎ着けた」と話した。 その上で、これまで4回実施してきた感触について「大変好評で、今日の会も募集を始めてから3日でいっぱいになった。定員が40組のところを50組まで受け付けたが、どうしてもお子さんの体調の都合あり、40組しか来られなかった。ここに来るのを楽しみに生活を続けたが入院が長引いてしまい行けません、という電話をいただいた家族もいた」と石井さんは残念がった。 日本財団は、特別養子縁組支援や難病児支援、不登校児への教育支援など「生きにくさ」を抱える子どもたちを支援する「日本財団子どもサポートプロジェクト」に取り組んでいる。スマイルデーの開催支援も「難病の子どもと家族を支えるプログラム」の一つ。 ● 難病児支援(日本財団公式ウェブサイト) カテゴリ:こども・教育 |