2018年05月29日(Tue)
デジリハLAB体験会に参加してみませんか?
NPO法人ウブドベが開催
キッズプログラマーを養成 病気や障害のある子どもたちのリハビリを少しでも楽しくできるように、とデジタルアートの活用に取り組んでいるNPO法人Ubdobe(ウブドベ、岡勇樹代表理事)は、キッズプログラマーを養成するデジリハLAB(ラボ)体験会を東京・世田谷の三軒茶屋で開催している。5月20日に開いた今年度最初の体験会には小・中学生4人が参加、パソコンを使って熱心にビジュアルプログラミングを学んでいた。6月には計3回の体験会が予定されている。 ![]() 好きな画像をパソコンに映して楽しむ小・中学生 |
ウブドベは、パソコンを使ってデジタル形式で芸術作品「デジタルアート」をつくり、子ども向けのリハビリに活用する「デジタル・インタラクティブ・リハビリテーション・システム」(略称・デジリハ)の研究を進めている。昨年12月の「日本財団ソーシャルイノベーションアワード2017」では、この研究が優秀賞に選ばれ、3年間に最大1億5千万円の助成金授与が決まった。今年度は、小児のリハビリを行う病院・施設で研究を続ける一方、キッズプログラマーを養成し、病気や障害のある子どもたちと一緒にデジタルアートを開発する計画だ。 今年度1回目の体験会は、ウブドベが運営する三軒茶屋のデジリハLABで開かれた。参加した4人の小・中学生は、自己紹介した後、デジリハ事業部の太田博美さん、野呂ゆき乃さんからビジュアルプログラミングの使い方を教わった。しばらくパソコンを操作していると、いつの間にか、全員が好きな画像やイラストを挿入して、オリジナルのアニメーションを作成していた。 ![]() 4人にプログラミングの使い方を教える太田さん(右)と野呂さん(左) 続いて男の子、女の子がペアになって「子ども会議」を開き、友達の好きなものをペーパーに次々書き出した。食べ物から動物、アニメなど、好きなものをたくさんピックアップし、ペーパーからあふれそうだった。 この後、4人はリハビリとはどういうものかを実際に体験した。ウブドベがデジリハを始める動機になったもので、子どもたちにとってどんなに大変か、身をもって感じてもらうのが狙いだ。まず、映像で手が不自由な子どもがスプーンを使ってモノを食べるシーンを見てから、実際に腕が動かしにくい例として、おもりを持って腕を上げ下げする体験をしてみた。野呂さんが「おもりの上げ下げを10回やります」と言って始めると、5,6回で腕が痛くなり、顔をしかめる子どもも。 ![]() 野呂さん(左)に合わせ、おもりを持って腕を上げ下げする小学生 次に、軍手を2枚はめてボタンをつけたり、はずしたり。さらに、机の上のビーズを箸でつまんでお皿に入れる体験も行った。箸でつまもうとしても、ビーズが滑って転がってしまうケースが多く、みんな手を焼いていた。最後に、皿に入ったビーズを数えて勝敗を競った。 この後、4人全員に感想を書いてもらった。「疲れたー。」「いつも使ってない部分に力が要るから余計に大変」など、しんどかった気持ちを表現していた。他のプログラミング講座では味わえない貴重な体験だった。 ![]() 軍手に箸でビーズをつまもうと苦労する参加者 体験会の最後は「プログラミング講座レベル2」と題し、友達の「好きなもの」を使って友達のためにアニメーションを作った。そして「リープモーション」という、手の動きを拾うデバイスを使い、「好きなもの」を回転させたり、大きくしたりした。その後、4人がそれぞれ今回の体験会の感想を述べ合った。 中1のゆずさんは「自分の好きなものをお友達に理解してもらえ、作ってもらえて楽しかった」と語った。小3のかける君は「腕が動かしにくいということが、こんなに大変だとは思わなかった。リハビリをやっている人を助けてあげたい」とコメント。小4のりんさんは「いろんなことを学べてよかった。自分の好きなものをお友達に作ってもらえてよかった」と喜んでいた。小6のゆうと君は「パソコンの技術やリープモーションのようなものでも、リハビリができるということが知れてよかった」と話していた。 デジリハ事業部の太田さんは「プログラミング技術だけでなく、リハビリを頑張っている子を知ること、お友達のために考えたり調べたり作ったりすることのうれしさなど、皆でいろんなことを経験できた。まだ始まったばかりですが、子どもたちと一緒にデジリハをつくりあげていきたい」と語っていた。 6月の体験会は、9日(土)午後1時、13日(水)午後5時、23日(土)午後1時の計3回行われる。体験会の費用は無料。参加希望者は以下のメールアドレスか、電話番号に連絡してください。 メール:digireha@ubdobe.jp 電話:03-6805-2880 |