• もっと見る

前の記事 «  トップページ  » 次の記事
2018年05月14日(Mon)
日本財団 - DeepStarが連携
海洋技術開発プロジェクト
米ヒューストンで協力覚書に調印


海洋開発市場で必要とされ技術力の向上や専門知識を持った海洋開発技術者の育成に取り組む日本財団は、国際的な主要石油会社とともに世界の海洋エネルギーの技術開発をけん引している、米国テキサス州ヒューストンの「DeepStar」と現地時間5月1日、海洋開発に関する研究開発支援プログラムの共同実施に向けた協力関係を覚書として結んだ。DeepStarはヒューストンで唯一、石油会社が参加(8社)している民間の技術開発共同事業体。石油会社をはじめ、エンジニアリング会社、大学などがメンバーになっている。

覚書調印式の様子。サインする日本財団の海野光行・常務理事(左)と後ろで立会いをした笹川陽平・会長

覚書調印式の様子。サインする日本財団の海野光行・常務理事(左)と後ろで立会いをした笹川陽平・会長



共同の技術開発プロジェクトを発足させ、10年後に海洋開発をリードする技術開発プロジェクトの支援を行う▽日本の最先端技術を海洋開発に取り入れ、将来技術をリードする知見・ノウハウを向上させるとともに、培ったネットワークや経験をもとに、わが国海洋開発技術者を育成することを目的とする−ことが覚書の柱だ。

プロジェクト数は10件程度、最大11億円規模、事業期間はプロジェクト全体で最大4年(2018年度〜22年度)を想定。日米の石油会社で構成する専門委員会がプロジェクトを企画し、今年10月以降、募集を開始する。

覚書の調印式でスピーチする笹川会長

覚書の調印式でスピーチする笹川会長



ヒューストン市はニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴに次ぐ全米人口第4位の都市。メキシコ湾における海洋石油・天然ガス開発の基地となっており、米国内外を問わず数多くのエネルギー関連企業が本社や米国内での重要な拠点を構えている。毎年5月には世界最大の海洋開発展示会(OTC)が開かれ、今年は50周年を迎える。例年130カ国から9万人以上が参加する。米航空宇宙局(NASA)の宇宙センターがあることでも有名。

宇宙開発を進める笹川国際宇宙建築センターのLARRY BELL教授らと面会する笹川会長

宇宙開発を進める笹川国際宇宙建築センターのLARRY BELL教授らと面会する笹川会長(右から3人目)



日本財団が進めているオーシャンイノベーションプロジェクトは、中長期的戦略の下、人材の育成、技術革新、ネットワークの構築を相互に連携させていくことで、日本の海洋開発産業の総合力を向上させ、将来成長する海洋開発市場を取り組んでいくことを目的としている。ヒューストンでの覚書締結も、そのうちの海外連携型技術開発の一環。

覚書に調印した日本財団の笹川陽平・会長はあいさつで「世界がめまぐるしく変化する中、海洋エネルギーの世界にも新たな波が押し寄せている。徹底的なコスト削減に向けた挑戦、二酸化炭素排出削減を含む環境保全への対応、大水深油田などのより挑戦的な地域での開発。どれをとっても、課題の達成のためには大きな難関突破が必要。そのためには既存のエネルギー業界にはなかった技術を積極的、かつ早急に導入することが求められる」と呼び掛けた。

その上で「こうした状況の中、今回のプログラムは4年間で11億円規模を投じ、日本が持つさまざまな分野の新技術と、ヒューストンで培われた技術や経験を組み合わせ、海洋石油開発に関する革新的な技術開発を支援するものだ。このプログラムが多分野、世界的な規模で協力関係を促進するとともに、将来の海洋開発の新たな世界を切り開く第一歩となることを切望する」と訴えた。

ワインドアップで素晴らしい投球をした笹川会長

ワインドアップで素晴らしい投球をした笹川会長



笹川会長は同日夜、現地の野球場「ミニッツメイド・パーク」で開かれたメジャーリーグベースボール(MLB)、ヒューストン・アストロズ対ニューヨーク・ヤンキース戦で、試合開始前の始球式に登場した。同球場を本拠地とするアストロズは昨年のワールドシリーズで、ナショナルリーグのロサンゼルス・ドジャースを4勝3敗で下し、球団創設56年目で初の優勝を果たした。
カテゴリ:海洋







 アジア太平洋障害者芸術祭の報告会(下)  « トップページ  »  全国説明会で活動の趣旨と学び方紹介