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2018年03月29日(Thu)
優勝は三代目源流少年隊(大分)
第20回日本太鼓ジュニアコンクール
本選進出60チームが技と音色を競う


伝統音楽の和太鼓の普及・振興を目的とした「第20回日本太鼓ジュニアコンクール」が3月25日、金沢市の金沢歌劇座大ホールで開かれた。本選進出60チームが技と音色を競い合い、三代目源流少年隊(大分)が優勝し、内閣総理大臣賞に輝いた。

優勝した三代目源流少年隊(大分)

優勝した三代目源流少年隊(大分)


開会式に臨んだ全60チームの代表

開会式に臨んだ全60チームの代表



次代を担う年少者の健全育成と日本太鼓の後継者育成を目指し公益財団法人日本太鼓財団(東京都港区、松本英昭・会長)が毎年この時期、日本財団の協賛を得て開催している競技大会。地元の公益社団法人石川県太鼓連盟、日本太鼓財団石川県支部、北陸三県太鼓協会が主管となり、北國新聞社の「特別協力」をはじめ、多くの組織・団体が後援・協力をした。

出場資格は18歳以下のジュニア15人以内。全国の都道府県および海外から代表が選抜される。今回は海外を含め536チーム計5,704人が予選に参加し、国内58チーム(40都道府県)とブラジル、台湾両代表チームが本選に進出した。本選出場者の平均年齢は14・46歳、最年少は日南太鼓衆「爽空(そら)」(宮崎)の藤浦柚菜さんと菊陽武蔵剣豪太鼓(熊本)の岩永果倫さんの、それぞれ8歳だった。

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8歳と本選最年少出場者の藤浦柚菜さん(左)と岩永果倫さん



演奏は課題曲と自由曲合わせて5分以内がルール。各チームとも鮮やかなバチさばきを披露し、「ドーンドーン」と太くこだまする大太鼓、低音で音も大きい桶胴太鼓、「トントントントン」と軽快にリズムを刻む締め太鼓。大小の太鼓を組み合わせた「組太鼓」の勇壮な響きの中に、鉄筒の「チンチン」と甲高い金属音やしの笛の清明な調べも流れ、1,919人収容の大ホールをほぼ埋め尽くした観客を魅了した。

準優勝した橘太鼓「響座」ジュニア(宮崎)の演奏

準優勝した橘太鼓「響座」ジュニア(宮崎)の演奏



海外から参加し4位に入ったブラジル代表チームの演奏

海外から参加し4位に入ったブラジル代表チームの演奏



表彰式では特別賞10組、ブラジル、台湾、アルゼンチン各太鼓協会賞、国際友好賞、第5位、第4位の順に発表・表彰があり、第3位の太鼓研修センター「響」(宮崎)に文部科学大臣賞と金沢市長賞、準優勝の橘太鼓「響座」ジュニア(宮崎)に総務大臣賞と石川県知事賞、優勝した三代目源流少年隊(大分)に内閣総理大臣賞と、日本太鼓財団賞として優勝旗が授与された。表彰されなかった出場チームには入賞盾が贈られる。

総評で審査委員長の塩見和子・日本太鼓財団理事長は「審査員が最初に何を見るかというと“ジュニアらしさ”。それが非常に重要だ」と指摘し「今回はひどい力任せの打ち方はなかったが、欲を言えばもう少し太鼓と友だちとなって打ってほしい。一緒に頑張ろうねという気持ちが、まだまだあってもいいのではないか」などと要望した。

審査委員の音楽家・渡辺貞夫氏は講評で「早いテンポはごまかしやすいが、ゆっくり、ちゃんと、かっこよくやるのは一番大切なこと。これは僕ら(演奏家)の世界でも同じこと」と助言し、同・喜多郎氏は「日本の和太鼓は世界に通じる楽器だと信じている。いつかは日本のチームがいろいろな国に行き、平和を伝えるために、和太鼓の音を発表していってほしい」と呼び掛けた。

開会式では、出場順の抽選で1番を引き当てた和太鼓 凪(千葉)の川ア大(ゆたか)さんが選手宣誓をし、課題曲を作曲した日本太鼓財団の長谷川義(ただし)副会長が初っ切り太鼓を披露した。また審査結果を待つ間、観客はブエノスアイレス太鼓(アルゼンチン)と前回大会優勝チーム「和太鼓たぎり」(福岡)の特別演奏を楽しんだ。

次回の第21回大会は2019年3月24日、福島県郡山市の郡山市民文化センターで開催される。

【表彰されたチームは次の通り】
優勝・内閣総理大臣賞:三代目源流少年隊(大分)
準優勝・総務大臣賞:橘太鼓「響座」ジュニア(宮崎)
第3位・文部科学大臣賞:太鼓研修センター「響」(宮崎)
第4位・金沢市教育委員会賞:サンミゲル・アルカンジョ コロニア・ピニャール飛翔太鼓(ブラジル)                 
第5位・北國新聞社賞:手取亢龍若鮎組(石川)

特別賞
公益社団法人石川県太鼓連盟賞:やまばと太鼓(秋田)
テレビ金沢賞:信濃国松川響岳太鼓子供会(長野)
北陸放送(株)賞:日南太鼓衆「爽空」(宮崎)
協同組合石川県観光物産館賞:熊本市立必由館高等学校 和太鼓部(熊本)
金沢ケーブルテレビネット賞:火の神乙女太鼓 爽(鹿児島)
北陸三県太鼓協会賞:おおむら太鼓連くじら太鼓(長崎)
日本太鼓財団石川県支部賞:神洲八幡巫太鼓(福岡)
株式会社浅野太鼓楽器店賞:尾張新次郎太鼓保存会(愛知)
株式会社宮本卯之助商店賞:松川一の宮太鼓 はな組(岩手)
諏訪響太鼓店賞:諫早天満太鼓(長崎)
ブラジル太鼓協会賞:越中いさみ太鼓保存会春蘭(富山)
台湾太鼓協会賞:和太鼓 凪(千葉)
アルゼンチン太鼓協会賞:輪島・和太鼓虎之介(石川)
国際友好賞:サンミゲル・アルカンジョ コロニア・ピニャール飛翔太鼓(ブラジル)
国際友好賞:安コ笙太鼓團(台湾)
国際友好賞:ブエノスアイレス太鼓(アルゼンチン)


● 日本太鼓財団 ウェブサイト







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