• もっと見る

前の記事 «  トップページ  » 次の記事
2017年10月13日(Fri)
【学生が見た日本財団】手話甲子園行ってきましたレポ
学生が見た日本財団
聞こえる人も聞こえない人も楽しめる
手話パフォーマンスの魅力とは?



第4回全国高校生手話パフォーマンス甲子園(以下「手話パフォーマンス甲子園」)の本大会が、10月1日に鳥取県とりぎん文化会館にて行われました。

「手話パフォーマンス甲子園」とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

そして、大学で手話の講座を受けていたとはいえ、ほとんど素人の私でも楽しめるのか・・・・・・楽しみ半分ドキドキ半分で密着してみると、そこには、聞こえる人も聞こえない人も楽しめる様々な工夫がありました。

今回は、「手話パフォーマンス甲子園」についての素朴な疑問をもとに、今大会の見どころをお伝えします!

イラスト/筆者作

イラスト/筆者作


「手話パフォーマンス甲子園」って何をするの?

「手話パフォーマンス甲子園」で肝心の「パフォーマンス」って何をやるのか?という点ですが・・・・・・。

ダンス・・・・・・。

ダンス・・・・・・。

手話歌・・・・・・。

手話歌・・・・・・。



劇・・・・・・。

劇・・・・・・。

影絵・・・・・・!

影絵・・・・・・!



琉球舞踊!

琉球舞踊!

応援団!?

応援団!?



この他にも、ほんっとうにチームによってさまざまな手法でパフォーマンスを行っていました。

もちろんそのすべてが手話によって、です。

ら、落語!?

ら、落語!?


ときには会場をも巻き込んでパフォーマンスを完成させるチームもありました。

多くのチームはダイナミックな音楽や舞台演出を用いて、また体を大きく躍動させてパフォーマンスをするので、聞こえる人も聞こえない人も、視覚的にパフォーマンスに吸い寄せられます。

で、今回はどうだったの?

熱戦。超熱戦ですよ。

「手話パフォーマンス甲子園」自体が第4回目ということもあってか、多くの学校が以前と違う作風やスタイルで勝負に挑むと意気込みを語っていました。

その結果が多彩なパフォーマンス方法や内容につながったのかもしれません。

さて、それでは第3位から発表していきましょう。

第3位 大泉桜高等学校・立川ろう学校合同チーム(東京都)

第3位 大泉桜高等学校・立川ろう学校合同チーム(東京都)

第3位 大泉桜高等学校・立川ろう学校合同チーム(東京都)


受賞コメント「11人が力を合わせて3位という結果を残せたことはとてもうれしい。はやく部員のみんなに伝えたい」

昨年が初参加の、ろう学校と手話部の合同チームです。

ダンスと演劇を織り交ぜ、プロダンサーを目指すろうの少女の葛藤を見事に表現していました。

準優勝 杏和高等学校(愛知県)

準優勝 杏和高等学校(愛知県)

準優勝 杏和高等学校(愛知県)


「本当は優勝が欲しかったが、愛知から来てくれた家族や先生、お世話になった顧問の先生に、金より輝いた銀を手に地元へ帰りたい」

第2位は、ディズニーシーショーの「ミシカの伝説」を手話歌とダンス、演劇によって見事に再現していた杏和高等学校です。

会場の手拍子とともにパフォーマンスを作り上げていたのが印象的でした。

優勝 奈良県立ろう学校(奈良県)

優勝 奈良県立ろう学校(奈良県)

優勝 奈良県立ろう学校(奈良県)


「2回目の優勝、本当に信じられない。去年3位で悔しい思いをし、絶対優勝するという意気込みだったので本当に嬉しい」

大熱戦の中、見事栄冠を手にしたのは、奈良県立ろう学校です!

創部から14年目を迎え、第2回大会でも優勝を手にしていた奈良県立ろう学校が、再び優勝旗を手にしました。

今回演じたのは、童話作家工藤尚子さんの原作『ねこはしる』です。子猫のランと小さな魚の友情を、ダイナミックな演劇によって表現していました。

結論:あれはぜったい現場で感じてほしい!!

見事賞を手にしたチームもそうでないチームも、どのチームも本当に、パフォーマンスによるメッセージの伝え方が素晴らしかったです。

手話の甲子園ではあるけれども、手話が分からなくても満足に楽しめる工夫を凝らしていく。でももちろん適切な手話も織り込んで、手話が母語の人だって楽しめるようにする。

で、それを、たった6〜8分間のパフォーマンスに凝縮し、舞台装置や字幕まで用意してすべてを作り上げているのは、全部高校生。

すごい、すごいよ手話パフォーマー・・・・・・。

またその題材も、地域社会の問題やろうについてだけでなく、学校によって実にさまざまなテーマを、さまざまなアプローチと手法で取り上げていたのも印象深かったです。

手話についてや、取り上げられたさまざまなテーマについて、もっと深く学んでみたいと感じたのは、きっと私だけではなかったと思います。

実際に手話パフォーマンスを見てみると、講座で習っていたのとは比べ物にならないくらいの熱量を感じ、とても心が突き動かされました。

みなさんも、少しでも興味を持ったら、ぜひ手話パフォーマンスを体感しに行ってみてください!

今回大会のダイジェストは、日本海新聞の公式動画チャンネルからご覧いただけます!
https://www.youtube.com/watch?v=iNPFztiuniM
(上智大学/加藤 あかね)



● 言語としての手話を広げよう(日本財団公式ウェブサイト)
● とりネット ウェブサイト 全国高校生手話パフォーマンス甲子園







 2017年アフリカ食糧賞を受賞  « トップページ  »  海モンスター「アバサンシン」初披露