2017年09月12日(Tue)
心に障害がある人の働く希望をどう応援するか
「第1回 医療者のための就労支援フォーラムin岡山〜精神障がい者のための就労支援の意義と実践〜」と題し、JR岡山駅そばの岡山コンベンションセンターで開催。プログラムの冒頭、日本財団国内事業開発チームのチームリーダー竹村利道職員があいさつに立ち「障害のレベルにかかわらず、地域でしっかりと生きていく、という支援のためには、医療とともに“働く”ということは欠かせない」と訴え、患者さんが安心しては働くことができる仕事場を医療現場近くにつくる、という実例が11月、日本財団の助成で県内玉野市にできると紹介した。
続いて日本精神科看護協会の末安民生・会長が「精神障がい者の働き方、支え方」のテーマで講演。末安会長は「どのような応援の仕方をすると患者さんが仕事に就く気になるか。あるいは、少しぐらいつまずいても、そのつまずきを、うまく次の糧にするような展開ができるか。医療側の責任としてまだ、やれることがあるのではないか」と指摘し「患者さんの病気そのものの苦しさに加え、病気になる前の生育暦や性格の中で抱えてきた葛藤をどう調整していくか、意識的に支え手になってほしい」と呼び掛けた。 次に当事者の語りを通して就労支援の基礎知識や実践を学ぶ話し合いが行われた。タイトルは「当事者に聞きました。『あまたにとって仕事とは?』」。話し手として高橋はるみさん(ストライドクラブ)、原真衣さん(同)、神原亮介さん(ソーシャルフットボールCitRungs Tossa)、西岡由江さん(障害者福祉サービスセンターウェーブ)の4人が登壇。末安会長が聞き手となり、高橋さんと神原さんは患者としての体験や現状、今後の夢を紹介。高橋さんを支えてきた原さんは「後押しができれば」と語り、西岡さんは「彼(神原さん)を孤独にさせず、工夫と努力で精いっぱい見守っていきたい」と話した。 午後からは就労支援の実践3件の報告があり、座長の一人、日本作業療法士協会の荻原喜茂・副会長は「病院も事業所も診療所も地域の中にある。本人への医療を含め、どう支援をいていくか、企業も本人も家族も、みんなが一緒にやっていくことが必要。精神障害者の就労ノウハウは実は、いろいろなところで使える可能性がある。そのことを前提に地域の中で目を向け、どのような就労支援ができるか、考えるきっかけにしてほしい」と訴えた。
● はたらくNIPPON!計画(日本財団公式ウェブサイト) |