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2017年08月21日(Mon)
海と川のつながり学ぶ
「かるた」作りで絆はぐくむ
山梨、静岡の児童が団結


海に隣接していない山梨県。海が身近にある静岡県。隣り合わせに位置する両県の小学生が、二つの県を南下する富士川と、富士川が注ぐ駿河湾で、川と海のつながりや両県の結び付きを学ぶ、一泊二日の体験プログラム「キッズサマースクール〜海かるたではぐくむ絆〜」を8月17(木)18(金)の2日間、両県内で実施した。

完成した読み札と絵札を掲げ、参加者全員で記念撮影

完成した絵札を掲げ、参加者全員で記念撮影


山梨県の小学生は海の楽しさや大切さなどを学び、静岡県の小学生は海が身近にあることのありがたみや尊さを再認識することを目的としており、その集大成として「海かるた」を制作した。日本財団がオールジャパンの態勢で推進する「海と日本PROJECT」の一環で、「海と日本プロジェクトinやまなし実行委員会」と「海と日本プロジェクトin静岡県実行委員会」が主催した。

合流した山梨と静岡の児童が、向かい合わせで握手する様子

合流した山梨と静岡の児童が、向かい合わせで握手する様子


両県から応募して選ばれた小学5、6年生19人ずつ計38人が参加。初日の17日、県ごとに早朝集合した後、山梨県南部町の富士川河川敷にそれぞれバス移動して合流。イベントに先立つ開校式で日本財団の海野光行・常務理事は「富士山−富士川−駿河湾。自然の大きなつながりの中で、人間は自然の大きな営みを利用して生きています。良いかるたを作る秘訣は、どんな情報にも好奇心を持ち、アンテナを高くすることです。山、川、海、そして山梨と静岡のつながりについて、皆で楽しみながら、しっかり勉強をしていってください」とあいさつした。

全員を8チームに分け、簡単な自己紹介の後、かるた制作の時に各チームがどの行を担当するか抽選で決めた。いよいよ行程開始。目の前を流れている富士川をめぐる物流の歴史や川と海のつながりについて最初に、国土交通省関東地方整備局甲府河川事務所の担当者から説明を受けた。静岡県富士市に入ると今度は道の駅で、河口幅1950メートルと、日本一を誇る富士川河口の歴史や地形について奇跡博物館の研究員から講義を受けた。

貸し切りの帆船で清水港を見学する子どもたち

貸し切りの帆船で清水港を見学する子どもたち


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スタンドアップパドルボード(SUP)を初体験


日本一深い駿河湾の深海魚について説明を受けるこどもたち

日本一深い駿河湾の深海魚について説明を受けるこどもたち


清水港では貸し切りの帆船「オーシャンプリンセス号」で港内を1周、乗船中に港の歴史、物流、駿河湾の地形などについて、静岡県清水港管理局の講師から話を聞いた。三保真崎海水浴場では海の安全について現役ライフセーバーによる実演に見入り、三保内浜海水浴場では最近人気が高まっている水上スポーツ、スタンドアップパドルボード(SUP)の体験を通して海で遊ぶ楽しさを満喫。宿泊場所の東海大学三保研修館では駿河湾で獲れた魚を堪能し、海の資源の尊さを学んだ。

2日目は、前日楽しませてくれた海に感謝の気持ちを込め、三保内浜海水浴場で早朝清掃を実施。続いて東海大学海洋科学博物館で展示生物のえさやりを見学、学芸員から「深海魚を入手することも長く生かしておくことも非常に難しい。幸い駿河湾は日本で一番深い海。ほかのところより手に入れやすい環境にある。おいしい魚として知られるキンメダイも深海魚です」などと説明を受けた。

宿泊場所に戻り、いよいよ最後の行程「海かるた」作り。先生の指導の下、体験学習したことをテーマにして「あ」から「ん」まで、各自が担当する読み札と絵札をA4サイズの画用紙で作成した。作品はかるたの形に製品化し、山梨・静岡両県内の幼稚園などに寄贈し、園児たちに楽しんで使ってもらう。

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いよいよ最後の行程。「海かるた」の読み札と絵札をA4サイズの画用紙で作成


山梨・雨宮明香さん(5年)。作品は「(む)むすびつく ふじさん ふじかわ するがわん」

山梨・雨宮明香さん(5年)。作品は「(む)むすびつく ふじさん ふじかわ するがわん」


静岡・鈴木悠人くん(6年)。作品は「(と)トビウオは どこまでとぶよ 大ジャンプ」

静岡・鈴木悠人くん(6年)。作品は「(と)トビウオは どこまでとぶよ 大ジャンプ」


富士川の流域は長野、山梨、静岡の3県にまたがり、最上川、球磨川とともに日本三大急流河川の一つに数えられている。山梨(甲斐国)と静岡(駿河国)を結ぶ主要な「川の道」として古くから利用された。駿河湾の最深部は2500メートルに達し、日本の深い湾のトップ。湾内には約1000種の魚類が生息していると言われている。



● 海と日本PROJECT ウェブサイト







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