6月に入り梅雨の季節になりました。梅雨に一番似合う花はアジサイ(紫陽花・アジサイ科)です。本種はたくさんの栽培品種ができており、私たちの目を楽しませてくれます。ご存じの様に、酸性の土壌で栽培すると、アントシアンが土壌に流れ出したアルミニウムイオンと結合して、青色に変化します。日本の土壌は基本的に酸性の土壌が多くて、アジサイと言えば、紫色をイメージされる方が多いものです。以下に各種のアジサイの写真を載せます。一番上の写真がダンスパーティー、4枚目の写真がカシワバアジサイ、5枚目の写真がヤマアジサイでアジサイ種の原種と言われるものです。手毬型のアジサイはヨーロッパで品種改良されたもので、セイヨウアジサイ(ハイドランジア)と言われるものです。
次に、散歩で5月からこれまでに見かけた草木の花などを紹介します。
〇 クロガネモチ(黒金黐・モチノキ科)雌雄異株で写真は雌の木です。
〇 ハクチョウゲ(白丁花・アカネ科)常緑の小低木で沖縄も原産地の一つです。
〇 イボタノキ(水蝋木・疣取木・モクセイ科)やや垂れ気味に枝先に円錐花序の花をつけます。
〇 フェイジョア(フトモモ科)最近、庭木で時々見かけます。キーウィフルーツに似た実をつけますが、日本ではポーリネター(花粉媒介者)のハチドリがいなので、受粉しません。人工授粉で収穫は可能です。
〇 常緑のヤマボウシ(山法師・ミズキ科)日本に自生するヤマボウシは落葉樹ですが、本種は中国原産の常緑種です。ヤマボウシの花が終わってから、咲き始めます。
〇 ヒぺリクム・ヒドコート(オトギリソウ科・オトギリソウ属)葉っぱはキンシバイ(金糸梅・同科同属)に似ていますが、枝に十字対生につきます。ビヨウヤナギ(美容柳・同科同属)は雄蕊が目立ちます。
〇 ラカンマキ(羅漢槙・マキ科)イヌマキ(犬槙・同科)の変種です。庭木などによく見られます。特徴はイヌマキに比べて葉っぱが短いことです。雌雄同種です。
〇 ナツツバキ(夏椿・ツバキ科)別名シャラノキ(沙羅木)樹皮がヒメシャラに似て、きれいに剥がれます。果実も似ていますが、本種の方が大きい。
〇 ネジバナ(捩花・ラン科)別名モジズリ)花序がねじれていることによる名です。左巻き右巻きは偶然の確率です。”陸奥の しのぶもぢずり誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに”
〇 ハンゲショウ(半夏生・ドクダミ科)夏至から11日目に当たる半夏生の頃に花が咲くことからの名前です。葉っぱの白化した所に花が咲いています。ポーリネターに対するガイドマークになっています。
〇 ホタルブクロ(蛍袋・キキョウ科・ホタルブクロ属)反転する付属片があるので、本種です。ヤマホタルブクロ(同種同属)のこの種にはそれがありません。
〇 オルラヤ(セリ科・オルラヤ属)別名はオルレア、ホワイトレース 原産地はヨーロッパで、本来は多年草ですが、日本では夏の暑さのために、一年草として、流通しています。ニンジンの葉っぱに似た切込みの大きいのが特徴で、花は一見するとキク科の花のように見えます。
〇 クリ(栗・ブナ科)
〇 シャクナゲ(石楠花・ツツジ科)葉っぱの裏の毛が薄いものがホンシャクナゲ(主に本州中部以西に分布)、毛が厚いものはツクシシャクナゲ(主に九州に分布)、東日本にはやや厚い別種のアズマシャクナゲがあります。本種は郷里の津山で撮影したもので、葉裏の毛はほとんどなく、ホンシャクナゲと思われます。
以下は、盛岡市内、小岩井農場を散歩した時に撮影したものです。
〇 シダレカツラ(枝垂れ桂・カツラ科)盛岡城址内あったもの。近くでは深大寺の境内にあります。
〇 イシワリザクラ(石割桜・バラ科)盛岡市庁舎前に植わっています。本種はエドヒガンで、樹齢は360年を超えると言われています。
〇 ムラサキサギゴケ(紫鷺苔・ハエドクソウ科)小岩井農場の敷地にあったものです。花弁の黄色い斑点が多いのがその特徴です。
〇 ヒナギク(雛菊・キク科)別名デイジー 原産地はヨーロッパで日本では北海道など冷涼な地で定着しています。これも小岩井農場の敷地に植わっていました。
〇 ビランジ(ナデシコ科・マンテマ属)本種も小岩井農場の敷地に植わっていました。
〇 エンレイソウ(延齢草・シュロソウ科)本種も小岩井農場の森に植わっていました。
〇 ゴマギ(胡麻木・レンプクソウ科)この木も小岩井農場内に植わっていました。葉っぱの形も蕾の形もガマズミとそっくりでしたが、樹名板にゴマギとありました。葉っぱを潰すと胡麻の香りがすることからの名前のようですが、その時は未確認に終わっています。因みに、本種は日本固有種です。
以上 会長 山本憲人