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2018年10月25日

たすけあいからのネットワーキングの現在地(4) 重層的なネットワーキング 民間非営利団体ネットワーキング1


 この項では、寝屋川市民たすけあいの会が寝屋川市内で構築している協働のネットワークのうち、寝屋川市の精神障害者支援について紹介する。
現在は、医療法人、社会福祉法人、株式会社、NPO法人という法人の形態も成り立ちも事業も違う団体がそれぞれの歴史と文化と特色を活かして取り組みを行ってきています。今後さらに、協働活動を深めていこうと昨年度、協働で新たに一般社団法人(一般社団法人 MUGEN)を立ち上げています。

一般社団法人MUGEN「わたしたちは、ともに大阪府寝屋川市内で障がいのある人やマイノリティの人たちの地域生活をサポートする団体として発足、活動してきました。
単身世帯の増加・社会的孤立・多問題家庭・貧困など、多くのまちで生じている課題は、ここ寝屋川市でも課題となっています。
 こうした課題に対して、一つの団体だけでなく、複数の団体が連携し、当事者も支える人たちも地域の人たちとも手を取り合いながら、尊厳ある暮らしと住みよいまちづくりにコミットしていく。そのためにMUGENは生まれました。」
 MUGENを構成する四団体は、
1978年 NPO法人寝屋川市民たすけあいの会
  1981年 医療法人 三家クリニック
1984年 社会福祉法人 みつわ会
2015年 (株)toitoitoi の四団体です。

 寝屋川市民たすけあいの会は、四団体の中でもっとも早く発足し、活動をしているだけではなく、精神障害者支援に特化して活動をしている団体ではありません。1978年に発足した「寝屋川市民たすけあいの会」は2000年に介護保険制度が発足するまでは、すべてを「ボランティア」で文字通り「たすけあい」を旗印に、年齢、障害のあるなしにかかわらず活動を行ってきた団体です。
「その時々に出会った方とのかかわりから、心の病のある人とのかかわりもみられる。たすけあいの会と心の病のある人たちとのかかわり方は、@個別にボランティアが訪問し援助する場合、A心の病のある人がボランティア活動をする中でかかわる場合、B精神障害者関係の団体と組織的なかかわりをもっている場合がある。(『精神保健福祉ボランティア』石川到覚編 中央法規 2001年 P106より)

 たすけあいの会が発足した当時は福祉サービスや在宅医療もほとんどなく、まだ「ボランティア」ということばも市民権のなかった時代でした。その当時に、産声をあげた時代に、たすけあいの会によせられた相談の多くは地域をかけずり回っていた保健師等から相談が舞い込んだそうです。
 当時のボランティア活動のエピソードからは、こどもを乳児院に預け改めて一人で暮らしはじめようとしていた精神疾患をもつ母が、部屋だけ確保したあとに支援依頼をたすけあいの会が受け、家財道具一式を会員からかき集め、家事の援助を全面的に行ったエピソードがよく語られます。このエピソードは、代表の森川がビデオ教材「ひらく かける つなぐ 精神保健ボランティア」ジエムコ出版でも語っている。

 そういった精神障害者を地域で支える取り組みは、たすけあいの会が発足した三年後、地域医療を目指して三家クリニックhttps://www.mitsuya-clinic.jpが開院。そして、また三年後、三家クリニックの院内の取り組みからはじまった社会福祉法人みつわ会https://www.mitsuwakai.comの前身の三和共同作業所の開所へとつながり、寝屋川市でも本格的な精神障害者の地域支援の取り組みへとひろがっていきます。
 寝屋川市民たすけあいの会の在宅ボランティア活動の中での取り組みは制度のスキマということで、制度化の遅れた精神障害者の方への支援が少なくありませんでした。ただ、その多くは保健所から紹介されたものだったようです。

【緩やかな連携とフォーマルな連携による地域でのネットワーク】
 その後、1990年代に入り、精神障害者支援にかかる法律・制度の改正があり、公的な団体も含めた地域のネットワークづくりが拡がっていきます。三団体は「医療」と「福祉」と「ボランティア」というそれぞれの切り口で、公的な地域のネットワークへの参画とともに、90年代の後半からは、インフォーマルなネットワークでもつながりを強めていくことになります。公的なネットワークは、大阪府寝屋川保健所が主催で行っていた精神医療保健福祉関係の会議(精神障害者合同委員会→自立支援促進会議→退院促進会議)に、ボランティア団体である当会も参加。その会議への参加がきっかけで、精神保健福祉ボランティア講座の共同開催やみつわ会の新たな作業所づくりへの協力などの協働活動につながっていきます。
 また、そういった協働活動の中でも、現在も行っている精神障害者地域交流事業「Club E&T」http://neyagawatasukeai.org/katsudo/tsudou/tsudou_20170505_4.htmlは、その当時のインフォーマルなネットワークをひきついで、現在も行われている事業(事務局は寝屋川市民たすけあいの会)であり、毎年、好評を得ている「寝屋川ハートアート展」https://neyagawaheart-art.jimdo.com
「寝屋川ハートアート展」「精神保健医療福祉白書」2018/2019中央法規 P111
は、90年代のボランティアの参画とともに、当事者の参画を強く意識した取り組みに端を発しています。
 
【多様な拡がり、支援対象の拡大と地域の課題の深まり】
 2000年代に入り、社会福祉の制度の大きな改正、医療制度の大きな改正の中で、さまざまな地域支援が拡がってきました。みつわ会も社会福祉法人格を取得し、寝屋川市民たすけあいの会もNPO法人を取得しボランティア活動だけではなく、障害者自立支援法(障害者総合支援法)の事業を行っています。三家クリニックは、デイケア、訪問看護ステーションの経営だけでなく、「ひきこもり外来」を開設。いろいろな展開の中から、(株)toitoitoiを設立。その後も精神疾患をもつ親のこどもの支援、NEFNEの開店などをおこなっています。
 それぞれの多様な展開と同時に事業上の協働だけでなく、さらに大きく深い展開を取り組もうと(一社)MUGENを設立してきています。
 昨年度、その一環のモデル事業として、MUGENハウス(平成29年度社会福祉振興助成事業「クライシスハウスの可能性を考える事業」申請団体:寝屋川市民たすけあいの会)を行っています。ゆるやかな協働、個別のケースのつながりから、実際の共同運営事業やそれぞれの特性を活かした形での協働(同)事業などかなり多角的に現在は取り組んでいます。それは、狭い意味での精神障害者支援だけではなく、(2)でふれた子どもに対しての取り組みにもつながっています。
 これまで、福祉の分野でいわれてきたネットワークは、二次元でかつ「サークル」型
のネットワークが言われることが多かったように思いますが、多様化する地域社会/地域課題において、さまざまな要素での「ネットワーク」が必要になってきています。ネットワークの結節点をどのように作っていくのかという課題などはありますが、多様なネットワークが必要であると感じています。
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