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2022年03月08日

保護者懇談会 お待たせしました!後編の後編!!

先月2月5日土曜日になかの学舎で保護者懇談会を開きました。
前半はなかの学舎の常駐スタッフの二人から子ども達の活動の様子を、
後半には、特別ゲスト!25年前に子ども達が安心過ごせる居場所を開いていた、スペースキールの小野慶子さんに来て頂いて、当時のお話や、そこに来ていた子供たちのその後についてのお話を伺いました。

前前回のブログでは、前半のなかの学舎常駐スタッフからの「なかの学舎の子供たちの活動の様子」をお伝えしました。 
保護者懇談会(前編)
前回は後半のスペースキールを運営されていた小野慶子さんのお話の途中までをお伝えしました。
保護者懇談会(後編)
お待たせしました!今回は小野さんのお話の後編の後編をシェアさせて頂きます

■ キールから巣立った子どもたちの話
 
・メイクばっちりの女の子の話
中学1年生でキールにやってきた女の子はメイクばっちりでやってきました。お姉さんが2人いるけど、お姉さんたちはメイク道具を貸してくれないのでお母さんのメイク道具を借りてメイクしてきていました。その子は小学校1年生で不登校になり、それから学校へは通ってなかったそうです。
 キールに通い始めた頃は元気のなかった女の子ですが、通っていくうちに慣れてきて楽しく通ってきていたそうです。もちろんメイクはいつもばっちりでやってきます。ところがある日のこと、「寝坊しちゃってメイクする時間がなかった〜」とすっぴんでやって来ました。「あら〇〇ちゃん、こんなにかわいいお顔してたのね!」と伝えました。この日からメイクをしなくても通って来られるようになったそうです。
 
その女の子が「高校生になりたい!」と言い出しました。それは、学校帰りに喫茶店に寄ったり、そういう高校生活に憧れを持ったからだそうです。そこから小学校1年生からの勉強が始まったそうです。
「足し算は足す数と足される数が逆になっても答えは同じなのに、引き算は逆すると答えが変わるんだ!」
という発見に驚く、そこからの出発だったそうですが見事に高校生になり、更には夢だった美容師になり現在は美容師を育成する先生をされているとのことです。

・心のガード
キールに来ていた子の中には、帽子をかぶって部屋の中でも帽子を取らない子、杖をついてくる子などもいました。メイクの女の子もそうですが、それがその子たちのガードになって心の安定を保っていました。
キールで過ごしていくうちにそれらはだんだん必要なくなっていったそうです。 

■ 不登校の歴史

日本では50年も前から不登校の子どもたちがおり、はじめは「登校拒否」と呼ばれていました。
不登校は「親が甘やかしているから」「子どもをちゃんと見ていないから」など言われたり、精神的な病気だと言われて精神病院に連れて行ったり、1982年には「戸塚ヨットスクール」のような厳しくしつけるというような施設ができたりして事件が起きたりもしました。
キールを立ち上げるときに小野さんは、1985年に東京シューレを立ち上げた奥地圭子さんのところへお話を聞きに行ったそうです。また、長年不登校の親子に寄り添い続けて今も活動されている心理カウンセラーの内田良子さんともお話する機会もあったとのこと。
そして1990年になって文部省は「登校拒否は誰にでも起こりうる」との考えを示しました。とても画期的なことで、そこから子どもたちの居場所があちこちに出来ていったということです。

■ 小野さんから私たち保護者へ向けて頂いた言葉

【子育ては信じて待つこと】
「子供の成長って見えないことが多いから大変だけど、生きる力を信じる、今を受け入れること」

【大人の笑顔と笑い声は子どもの心の栄養】
「大人も一緒に暗くなってはダメよ!大人はニコニコ、それが子どもの心の栄養になる」

■ 小野慶子さんのお話を聞いて

50年も前から不登校の問題があり、「本人の性格の問題・怠け・親の過保護」などと言われ、「不登校を治す」ために大人たちがあれこれ手を尽くしてきたわけですが、そんな社会の空気の中で小野さんや、奥地さん、内田さんのようにそのような考えに違和感を持った大人たちが、あちこちで親の会を立ち上げたり、不登校児のための居場所づくりなどをして子どもの権利と自由とその子らしさを守ろうと活動をしてきたんだと思います。そのそれぞれの地道な活動が大きなうねりとなって、文部省の不登校に対する見解を変えさせたんですね。不登校の歴史ってロマンがありますよね。不登校に対する偏見がまだ大きかった時代に、子どもたちに寄り添い尽力された先人方に感謝です。まだまだ不登校について理解されてないことも多いですが、このうねりを更に大きなものにして、いつか日本から「不登校」という概念がなくなることを切に願います。

小野さん、この度は貴重なお話をありがとうございました!


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なかの学舎は小学校から高校生の年齢のお子さんが入会できます。
現在は八王子市内や近隣の地域から19名の子ども達が通ってきています。
「学校に行ってないけど、遊びたいな」
「学校外で自由に学びたいな」
「ホームエデュケーションだけど、時には家以外の居場所が欲しいな」
などなど、来てみたいなと思ったら、ぜひご連絡下さい。

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(撮影 河口あすか)

★ 見学・体験入学も随時 受け付けております。
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★ ご支援のお願い
ならはらの森で、子どもたちがのびのびと学び、遊ぶことを
共に作ってくださる仲間にぜひ、なってください。

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posted by 馬場 at 05:53| Comment(0) | TrackBack(0) | スタッフのつぶやき
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