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多発性硬化症と視神経脊髄炎で"鍵"握るセマフォリン4A medical tribune より

[2016年01月11日(Mon)]
medical tribune より記事を転載します。

多発性硬化症と視神経脊髄炎で"鍵"握るセマフォリン4A
第27回日本神経免疫学会
学会レポート | 2015.10.23
 セマフォリン(以下,Sema)は,神経軸索および免疫制御分子として知られているが,さまざまな病気の鍵分子であることが明らかにされている。第27回日本神経免疫学会学術集会(9月15〜16日,会長=岐阜大学大学院神経内科・老年学分野教授・犬塚貴氏)では,多発性硬化症(MS),視神経脊髄炎などの神経疾患へのSema4Aの関与について大阪大学神経内科のグループから報告された。

フィンゴリモドがIFN-β無効患者にも有効な可能性
 同グループは,血清Sema4AがMS患者の約30%で上昇し,血清Sema4A高値患者はインターフェロン(IFN)βに治療抵抗性を示すことから,血清Sema4A値がIFN-βの治療効果予測バイオマーカーとなり,血清Sema4A高値患者に同薬は有効でないことをこれまでに明らかにしている。
 そこで同科の甲田亨氏,中辻裕司氏らは,IFN-β以外の疾患修飾薬(DMD)が血清Sema4A高値患者に有効であるかどうかを検討。同大学病院を含む3院において,フィンゴリモド治療歴のあるMS患者52例を対象に,同薬投与前後での血清Sema4A値をサンドイッチELISA法により測定した。
 その結果,フィンゴリモド投与前後で血清Sema4A値に大きな変化は認められなかった。しかし,血清Sema4A高値群(15例),低値群(37例)ともに再発率の低下が見られ,IFN-β無効群に対しても同薬が有効である可能性が示された。このことから甲田氏らは, MS患者のうち血清Sema4A低値で疾患活動性の低い場合にはIFN-β,高値または疾患活動性の高い場合にはフィンゴリモドを用いる治療アルゴリズムを提案した(図1)。

NMOsdの血清Sema4A高値群は若年発症
 同グループの奥野龍禎氏は,NMO spectrum disorder(NMOsd:視神経脊髄炎スペクトラム疾患)における血清Sema4Aの関与も明らかにするため,臨床的特徴を検討した。
 対象は,抗アクアポリン(AQP)4抗体陽性のNMOsd 47例およびMS 129例で,血清Sema4AをELISA法で測定,末梢血単核球( PBMC )におけるSema4Aの発現プロファイル,初発時の年齢,症状,検査所見などを比較した。    
 NMOsd群の血清Sema4A値は5,675±9,258U/mLで,MS群の3,145±5,526U/mLに比べて高値であった。NMOsd群のうち16例が高値であった。発症年齢は,高値群で39±11歳で,低値群の51±10歳に比べて有意に若かった(図2)。重症度について,増悪期および寛解期の総合障害評価尺度(EDSS)を比較すると,両時期とも高値群は低値群に比べて有意に軽症であった。

 NMOsdにおいても,MSと同じく血清Sema4Aが高値を示す群があり,若年発症だが予後が良好との結果であった。このことから血清Sema4Aは NMOsdの発症に寄与している可能性が示された。同氏は「血清Sema4AはMSだけでなく NMOsdの発症にも寄与している可能性がある」と考察した。
(鈴木志織)
Medical tribune

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