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脆弱X症候群の臨床研究が本格化 medical tribune より

[2016年01月11日(Mon)]
medical tribuneより転載します。

難病の「脆弱X症候群」,臨床研究が本格化
治療法の開発,研究体制の構築を予定
学会レポート | 2015.10.27
 脆弱X症候群(FXS)はFMR1遺伝子のリピート異常により引き起こされるトリプレットリピート病〔3塩基(CGG)繰り返し配列が徐々に延長するために発症する〕で,知的障害や自閉症などの症状を示す。また,脆弱X随伴振戦/失調症候群(FXTAS)はFXSの保因者に発症する。鳥取大学生命機能研究支援センターの足立香織氏は,第55回日本先天異常学会学術集会(7月25〜27日,会長=神奈川県立こども医学センター遺伝科部長・黒澤健司氏)/第38回日本小児遺伝学会学術集会(会長=慶應義塾大学臨床遺伝学センター教授・小崎健次郎氏)で「わが国のFXS,FXTAS診療ガイドラインを作成するとともに,患者登録を進め,治療法の開発や臨床研究体制の構築を予定している」と述べた。
FXTASの病態はほとんど未解明
 足立氏は,FXSについて「細長い顔,大きな耳,巨大睾丸などの身体的所見を示すが,特に特徴的な所見を示さない,または家族歴がないことも多い疾患である。欧米では4,000〜6,000人に1人の頻度とされているが,わが国ではそれより少し少なく,われわれのデータでは日本人男性患者が5,000人と推計される」と説明した(表)。

 また,脆弱X随伴振戦/失調症候群(FXTAS)はFXSの保因者に発症する。保因者は一般女性130〜250人に1人,男性250〜810人に1人存在し,このうち女性保因者の16%,男性保因者の40%にFXTASが発症する。日本では2010年に初めてFXTAS症例が報告され,MRI検査で中小脳脚(MCP;middle cerebellar peduncles)徴候が認められた。50歳以降に振戦や失調などの症状を呈し,パーキンソン病,神経核内封入体病などとの鑑別が必要な疾患だが,病態はほとんど未解明である。今年(2015年)7月に難病指定された。
 FXSは,欧米では既に多くの患者が登録され,代謝型グルタミン酸受容体拮抗薬やミノサイクリンなどの臨床研究が開始されている。同氏は「日本人におけるFXSとFXTASの実態調査と遺伝学的診断の普及が必要だと考えている」と主張。「研究班を組織してこれらに対応していく予定だ」と述べた。
国内で確認されたFXS患者は81例
 FXSについては,2009〜11年に研究班を組織し,アンケートによる実態調査を実施(2009〜10年)。日本小児神経学会,日本児童青年精神医学会,日本小児精神神経学会の会員と全国の保健所に調査票を送付し,学会員1,127人と保健所391施設から回答が得られた。その結果,少なくとも65例を確認して二次調査を実施し,7例については臨床状況を把握しているという。
 また,遺伝子解析により2014年度までに解析を行った検体数,解析数は,日本人FXSおよび関連疾患の診断・治療推進の研究班で収集した210家系(234例)のうち,FXSと診断されるCGGのリピート200以上が10家系(16例),55〜200の保因者が10家系(12例),40〜54の中間型が2家系(2例)という結果であった。
 現在,日本のFXS患者は,少なくとも81例(アンケートにより65例,遺伝子解析により16例)が確認されている。FXSだけでなくFXTASの症例も集積していく必要がある。足立氏は「今後,研究班では診療ガイドラインを作成するとともに,FXSとFXTASの患者登録を進め,治療法の開発や臨床研究体制の構築を予定している」と述べ,協力を呼びかけた。
(慶野 永)

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